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ピアマウアの再開発プロジェクトの契約が成立したからです。そのお祝いの席で、私どものリオデジャネイロ埠頭公社の新しいロゴを発表させていただきました。これがそのロゴですが、カモメがリオから羽ばたいて世界へ向けて飛んでいくという図で、国際化をあらわすとともに、白い翼の部分で西と東を結ぶという意味合いもありますし、あるいは、弧を描いている翼のところはリオの山やサトウキビ畑などブラジルの風景をあらわしていますし、いろいろな意味が込められています。今回のこの発表は、このリオのカモメの初めての発表の場です。

(ブラジル概説)

まず、地理的位置づけについてお話しさせていただきます。リオデジャネイロは、人口分布の面においても、あるいは経済面でも、南アメリカの中心です。この地図でもご覧いただけますとおり、リオデジャネイロ港は、北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、いずれの市場からも大体同じ距離にあり、非常に競争力のある港湾です。したがって、流通コストを製品価格に反映させて考えた場合、リオ港の後背地で産する製品はリオ港を通じて輸出されるわけですから、非常に競争力があると言えると思います。物流の量が増加して、あるいはインフラが民営化されることによって、流通コストは今後さらに低く抑えられると思います。一例を申し上げますと、ブラジルで民営化された港湾が5つありますが、そのうちの2大港(リオ港とセペティバ港)において港湾の料金が60%引きの40%に引き下げられています。それによってこれらの民営化された港湾に多くの船が入るようになりました。

次に、ブラジルの開発と、その経済的、社会的側面についてお話しさせていただきます。南アメリカの国々はすべて民主主義国家であり、政府は国民の選挙によって選ばれています。ブラジルは政治的に安定していますので、政治が原因で経済が大きく変動することはまずありません。国境も既にきちんと確定をしていてく国境をめぐる争いは過去余りありません。民族をめぐる争いもありません。ブラジルは一般にカトリック国と思われているかと思いますが、実は教派を超えた世界教会主義の国です。植民地時代に盛んに民族の混合が行われたために、国民性が平和的であり、民族的な争いは一切ありません。急進派もいませんので、テロにも無縁です。ここ3年間、政府で、レアル・プランという通貨切下げ政策を断行して、インフレ率を年間10%に引き下げることに成功しています。

民営化プログラムの成果として特に挙げられるのは、インフレの主要ベクトルの一つである財政赤字をコントロールできるようになったことです。民営化された部門は、主なものに、製鉄、石油化学、エネルギー、通信、道路、鉄道、港湾、造船、倉庫、都市交通が挙げられます。それにより生活水準が向上し、富の平等な分配が可能となります。新しい消費者層の創出にもなります。現在は、医療や教育のプログラムに対する投資が優先的に行われています。

ブラジルはラテンアメリカで断トツに大きなマーケットで、他の南アメリカ諸国と比較しても、GNPではアルゼンチンの約3倍です。ブラジルの国土は広く、成長の余地も非常に大きい。農地も工業用地も十分にあります。また、世界の食糧供給国として重要な役割を果たしています。特に砂糖、果物の供給国としては世界一です。また、穀物、コーヒー、食肉の供給においても世界有数の国です。また、現在は自動車産業の世界有数の拠点となりつつあります。

 

 

 

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