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港湾利用者は港湾料金が高すぎると思われる場合は運輸大臣に申立てできるが、基本的には政府は港湾料金設定に関与しない。日本は英国と全然違って、重要港湾の入港料はすべて運輸省で決められる。さらに、英国の港湾は他港と大いに競争するよう奨励されているが、日本の港湾はあまり積極的に競争するものではないようである。

日本での内航フェリーに対する入港料は、東京港、大阪港、神戸港などの特定重要港湾では、登録総トン数1トンあたり1円35銭(0.68英ポンド)。この料金は、一ヶ月の入港のうち10回目までは毎回科され、11回目以降は無料になっている。新潟のような他の主要港ではこれより安く、総トン数1トンあたり1円3銭(0.51英ポンド)となっている。これらの入港料はやや安いように思われる(おそらく、日本の港湾がコストのほんの一部しか回収できていないのはこのためであろう)。フェリーの総トン数測定法が英国と違う(日本式だと50%小さくなる)こともあって、総入港料収入がどうしても少なくなる。たとえば、登録総トン数1万5000トンのフェリーが特定重要港湾に入港する場合、一回あたりの入港料はわずか2万250円(101英ポンド)である。

日本の埠頭公社はフェリー会社から、入港料の他にバースのリース料として一定の料金をとっている。東京港の有明フェリーターミナル公社は、1バースを共同使用しているブルーハイウェイラインと近海汽船から、年間リース料として1億9000万円(95万英ポンド)を徴収している。神戸の六甲アイランドフェリーターミナルでは、1バースあたりの年間リース料は2億円(100万英ポンド)から2億5000万円(125万英ポンド)の間。英国の港湾料金については確たる数字がわかっていない。というのは、フェリー会社は各々の港湾と個別契約しており、その内容は企業秘密であるからである。港湾を自ら所有するフェリー会社の場合も、港湾料金は社内取り引きのひとつであるため、やはり公表していない。

日本では、バースのリース契約は通常1年毎の更新になっていて、これも英国と違う。英国では、たとえばベルファスト港に新しくできたステナラインの高速船用ターミナルの場合、港務局はステナラインとの交渉の末、最新技術を駆使した新しいターミナルを造る見返りとして13年のリース契約を取り付けたといわれている。ちなみに、ステナライン自身、自社所有の港湾(たとえばストランラー、ホリーヘッド、ハリッジなど。ハリッジはその後、1997年に売却された)の新ターミナル施設を自前で建設してきている。英国の港湾の傾向として、新しい港湾施設に多額の投資をする代わりに、フェリー会社との長期契約を望むというのが一般的である。

料金やリース契約の違いはともかくとして、日英とも昨今、フェリー会社を取り巻く競合状況はますます厳しくなっており、港湾料金の値下げが頻繁に行なわれている。大阪港では、1997年5月にバース使用料を20%値下げした。瀬戸大橋の開通で競争が激化し、フェリー会社はコスト削減を余儀なくされていたからである。英国でも同様に、1994年のイギリス海峡トンネル開通後、ドーバー港理事会は料金を値下げした。

 

 

 

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