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この間、旅客輸送量は大きく落ち込み、1991年には470万人であったのが1995年には390万人に、16.5%も減少している。特に落ち込みが激しかったのは1995年で、1994年から9%近く減っている。もっともこれには、フェリー活動を大きく混乱させた神戸の大地震の影響も一部あるかもしれない。ただ、日本旅客船協会もフェリー会社の多くも、旅客輸送は長期的に見て下降傾向だと口を揃える。逆に、長距離フェリーによる貨物輸送量は増加傾向で、1991年の130万台から1995年には140万台近くに、7%増えている。さらに1996年には、長距離フェリーによるトラック輸送はさらに増え、前年比4.5%増の145万台と推定されている。

<表3>

英国では1991年から1995年にかけて、フェリーによる旅客輸送は3160万人から3460万人へと9%増加した(表4参照)。ただし、イギリス海峡トンネル開通直後の1995年には、前年比9%減と大きく落ち込んでいる。また、乗用車も1991年の640万台から1995年の760万台へと19%増加したが、同様に1995年には9%の大幅減を記録している。乗用車輸送ではやはりフランスが最も重要なマーケットであり、フェリーで運ばれた車の半数以上(440万台)が対フランスであった。このことから、近・中距離フェリー航路がいかに重要か、休暇に車で旅をする人がいかに重要な市場となっているかがわかる。一方トラックの輸送量は、1991年の390万台から1995年には460万台と、20%増加している。海峡トンネル開通の影響はというと、それまで年間伸び率8%という勢いで増加していたにもかかわらず、1995年にはやはりほんのわずかながら減少が見られた。

<表4>

1996年、英国では、トレーラー1台の最大積荷重量は平均13.1トン。対する日本では、約10トンであった(フェリー会社推定)。もうひとつ、日英の大きな相違点は、各港湾その他の政府機関がフェリーによる貨物輸送量の統計をとる際のとり方に関してである。英国や他のヨーロッパ諸国では、フェリー統計はトレーラー数と貨物の正味重量トン(つまり積荷重量)で示される。日本ではトレーラー数については同じだが、正味重量トンでなく容積トン(つまり立方メートル)で記録されている。このため、統計上のトン数は実際よりかなり大きくなる傾向がある。トレーラー1台の積荷重量が10トンだとしても、積載容量は70〜100立方メートルだからである。

たとえば東京港では、フェリーの全輸送量(1996年)は統計では2260万トンとなっている。一見すると、ドーバー港の年間取扱い貨物量1240万トン(つまりトレーラー100万台)の2倍近い数字で、あたかも東京港が年間200万台近いトレーラーを扱っているかのように見える。しかし、東京港の1996年のトラック取扱い台数は実際には22万9000台に過ぎない。トラック1台あたりの積荷重量を平均10トン(フェリー会社推定)と仮定すると、東京港を経由してフェリーで運ばれた貨物は合計約230万トン、つまり統計として発表されている数字の約10%ということになる。

 

 

 

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