北海ルートでは、約22路線が7社により運営されている。距離は156キロから980キロ、航行時間は4時間から26時間である。
国際フェリーサービスは、日本では英国に比べてあまりさかんでない。下関港と韓国の釜山港を結ぶ国際フェリーが1日1便と、中国やロシア、台湾へのフェリーもあるが航行頻度はさほど多くない。基本的に、国際フェリーサービスは例外的で沿岸・内航フェリーが圧倒的というのが、日本のフェリー産業なのである。これに対し、英国のフェリー産業の図式はまったく逆。国際・近海サービスが市場の圧倒的位置を占め、沿岸・内航フェリーは皆無である。ただ、北海ルートと日本の典型的長距離ルートが似たような航行距離だということが、ひとつ類似点として挙げられる。
3. 輸送の流れ
日本の内航フェリーの輸送量についてだが、本州と他の主要三島間の1996年の輸送量は、旅客が合計700万人、乗用車が160万台、トラックが230万台であった(表1参照)。旅客と乗用車は、何といっても本州-九州間(旅客280万人、乗用車70万台)が段とつに多い。一方貨物輸送ということでは、やはり本州‐北海道間が最大のマーケットである(トラック90万台)。旅客は、56%近く(390万人)が長距離フェリーの利用者で、中・短距離フェリーの利用者は残りの44%(310万人)である。一方トラックについては、主要四島間の全輸送量の60%(140万台)が長距離フェリーによって運ばれた。
<表1>
1996年の英国フェリー市場全体(ただし、離島フェリーをのぞく)の規模は、旅客3740万人、乗用車680万台、トラック420万台と推定されている(表2参照)。中でも、英国とフランスあるいはベルギーを結ぶイギリス海峡横断ルートは、ずば抜けて大きな市場である。同年、海峡フェリーが運んだ総量は、旅客2800万人(英国全体の75%)、乗用車480万台(同70%)、トラック160万台(同39%)であった。英国随一の規模を誇るフェリー港といえばドーバー港であるが、ここだけで旅客1880万人(英国全体の50%)、乗用車270万台(同39%)、トラック100万台(同25%)を扱っている。
アイリッシュ海フェリーの1996年の輸送量は、旅客640万人(英国全体の17%)、乗用車140万台(同20%)、そしてトラック100万台(同25%)であった。距離の長い北海ルートは、旅客(英国全体の8%)と乗用車(同10%)は共にあまり多くないが、貨物市場では36%とかなり多い(トラック150万台)。
<表2>
表3は、1991年から1995年にかけての、日本の長距離フェリーのみの輸送量に関する統計である。