貨物では、北海ルートが51パーセント、海峡ルートが24パーセント、アイリッシュ海ルートが19パーセント、そして英国国内ルートが6パーセントである。
もちろん、フェリーのタイプや能力については、領域間で多くの主要な相違点が見られる。たとえば、旅客輸送能力ではイギリス海峡ルートがダントツだが、貨物輸送能力ということになると北海ルートが一番大きい。アイリッシュ海ルートも、旅客フェリーより貨物船のほうが強力である。さらに、輸送能力が最大級の旅客フェリーはイギリス海峡ルートで操業しているが、それらは概して昼間の運航である(つまり、宿泊キャビンは数が限られている)。一方北海ルートのフェリーは夜行で、船上の宿泊キャビンが必要であるため、総トン数(つまり内容量)がかなり大きくなる。高速船は、アイリッシュ海ルートが4隻だけなのに対して、イギリス海峡ルートには8隻。ただし、アイリッシュ海(ステナライン社が旅客輸送能力1500人の大型HSSを投入している)の船は大型であるため、輸送能力という点でいえば両ルートともほぼ同じである。さらに、高速船は従来型フェリーの約2倍の速度で航行できるため、同じルートを航行する従来型フェリーとの比較でいえば、有効輸送能力は実質2倍だということも、注目すべきポイントである。
4. 2 市場シェア
ここでは、各フェリー会社が主要国際ルートで持っている市場シェアについて概説する。改めていうが、ノース海峡線は厳密にはグレート・ブリテン島と北アイルランドを結ぶ国内線を含み(アイルランド共和国のフェリーの中にはノース海峡を経由するものもあるが)、アイリッシュ海ルートに数えられている。また、ここでの分析はフェリーサービスに関してだけで、海峡トンネルには言及しない。海峡トンネルはどの場合でも、単にドーバー海峡ルートのみならず、西海峡ルートや北海ルートなど広く影響を及ぼしている。アイルランドでは、英国経由でヨーロッパ大陸に輸送するか、直接フランスへ輸送するかの選択にも影響が出ている。海峡トンネルに関しては、定期航空便の固定リンクにも競争的インパクトを与えていることを忘れてはならない。また、ここでの市場シェア分析は、英国国内のフェリーサービスは対象外とする(いずれにせよ、国内フェリーのいくつかは独占状態である)。
まず、イギリス海峡ルートを見てみよう。表12は、1996年には2800万人の旅客と480万台の乗用車、160万台のトレーラーがフェリーで運ばれたことを示している。P&O社は、海峡ルートのフェリー市場全体に大きなシェアを確保しており、旅客で40パーセント、乗用車では39パーセント、トレーラーでは51パーセントとなっている。ステナライン社も1996年の海峡ルートではかなりのシェアを獲得、旅客で25パーセント、乗用車で26パーセント、トレーラーで19パーセントとなっている。このルートでシェアを競っているのは、他にホバースピード社やブリタニーフエリーズ社らがある。