3. 2 アイリッシュ海
アイリッシュ海ルートは一般的に三つの地域に分けられる。ノース海峡、中央路、南路の三つである。
1996年のアイリッシュ海のフェリー市場全体の規模は、旅客が640万人、乗用車が140万台、貨物トレーラーは100万台強と推定されている(表6参照)。
ノース海峡ルートでは、7社がフェリーサービスを提供しており、うち3社は貨物専門である。また、中央路では4社が営業しており、うち1社が貨物専門。南路では3社がフェリーを運航しており、すべて多目的船舶(つまり旅客と貨物両方を扱う)である。これら二つのルートすべてで営業しているのは、ステナラインだけである。P&O社は、ノース海峡ルートで旅客と貨物を運ぶフェリーを運航しており、中央路ではその子会社のパンドロ社が貨物フェリーを運航している。P&O社はまた、アイリッシュフェリーズ社の中央路および南路渡航について同社と協定を結んでおり、乗客は通し切符でP&Oのフェリーに乗りヨーロッパ大陸へ渡れるようになっている。1996年には、アイリッシュ海ルート全体で、8社が計13路線を営業した。
アイリッシュ海ルートの航行距離は、最短がノース海峡ルートのケンライアン(Cairnryan)=ラーン(Lame)間の26海里、最長がスウォンジー=コーク間の160海里、平均で87海里である。ただ、アイリッシュ海ルートで営業している旅客フェリーの多くは、船上の旅客宿泊施設が少なくて済む短い距離(26海里から67海里)のルートをとっており、一方貨物専門のフェリーは長距離になる。アイリッシュ海渡航は、英国との貿易や旅行、さらに英国を橋渡しとしてヨーロッパ大陸との貿易や旅行に利用されている。北アイルランドは英国の一部であるから、ノース海峡ルートは厳密には国内フェリーサービスである。とはいえ、これら三つのルートは互いにある程度競合しているため、ここでは一緒に分析した。