(ベアード氏)
上向けばいいなとは思ってはいますけれども。最終的にうまくいかなくてステナライン社が倒産してしまったとしても、船は誰かが買い取るでしょう。中古という形でどこかで走ることになるでしょう。
(質問)
EUの市場構造からすると、確かに国外のEUの市場は安泰であることはよく理解できます。国内を考えた場合、トラックとの競合はどういう状況なのか教えていただきたい。また、大気汚染の問題が最近出ていますので、トラックからフェリーへの移行が環境上で評価されている例があれば教えていただきたい。
(ベアード氏)
その点については今政府が考えているところです。国内の交通量の多さ、渋滞も問題になっていまして、トラックが多過ぎる状況がありますので、物流会社のために沿岸輸送のパイロット・プロジェクトをやってみてはいかがかという話が出てきてはいます。しかし、問題は、トラックの輸送料が非常に安いのです。トラックとの競合を考えたとき、フェリーはなかなか難しいのではないかという状況にあります。フェリーに関しては、港湾の施設も改良していかないと、とてもトラックには太刀打ちできないと思います。といいますのは、イギリスの港湾は大体河川港湾が多くて、海浜港湾が少ないのです。そうなりますと、先ほどのステナラインの例でお話ししましたように、港に入る随分前からスピードを落とさなければいけない状況があちこちであるわけです。そういう状況で競合していくのは非常に難しい。ですから港湾施設面での改良もないと厳しいと思います。
(質問)
弱点の一つに稼働率がありますが、もし稼働率のアンケートがあれば教えていただきたい。1年のうち船が毎日行くとして、北海は天気が悪いでしょうから、天気などの関係で運航可能な日数はどのぐらいですか。
(ベアード氏)
以前ヨーロピアン・コミッションなどの研究をしたことがありますが、そのときトラック会社に、海上輸送についてどう思うか、陸上輸送についてどう思うか、アンケートを取ったことがあります。海上輸送のイメージが非常に悪かったのです。弱点として、天気に左右される、遅い、トラック輸送に比べて洗練されていないという批判が続出しました。イギリスはどちらかというと陸送中心の市場であり、意識的にも海上輸送はどうもというバリアがある状況です。そういう状況があることがわかりましたので、研究グループが政府に対して、物流会社に対して、海上輸送とはどういうものか、ネガティブなイメージを持っているだけではなくて、実際にどんなものかを試してもらおうではないかということで、パイロット・プロジェクトを提案した経緯があります。
ご質問ありがとうございました。
・了・