全部陸送です。一方、スコットランドとヨーロッパ大陸との貿易は、まだ300万トンにしかなっていません。ということは、スコットランドとイングランドはよくインテグレートされていますが、まだまだスコットランドがヨーロッパの一部になっている状態ではありません。結論を申し上げますと、ヨーロッパはまだ一つの大きな国内マーケットにはなっていません。
第2の質問の民営化についてですが、イギリスでの経験から申し上げますと、民営化はよい点もありますが、悪い点もあると思います。何がいいかと聞かれますと、はっきり申し上げられません。しかし、何が悪いかと言われますと、たくさん申し上げることがあります。政府は政策の見直しをやっと始めたところですが、個人的意見としては遅過ぎるのではないかと思います。といいますのは、一たん民営化をしてしまうと、今度また国営化するには買い上げるしか方法はありません。払い下げたときには値段が非常に安くて、どちらかというと国から民間に価値を移転したような形でしたのが、今度買い上げるとなりますと、そう安くは買い上げられません。これからどういうことができるかといいますと、民営化されたものは民営化のまま置いておくけれども、自己規制をしく手段しかないのではないかと思います。民営化によって港湾を手に入れたフェリー会社は、ものすごい安い値段でお得な価格で港湾を手に入れたところにもうけが一つ出ていますし、また、自分のものになった港湾をよその会社に使わせない、いわゆる独占状態で使えるという点での利益がもう一つ出ています。港湾の持ち主になったフェリー会社にとって非常に大きな利益が出ていますが、それを使う側の船会社は利が薄い状態です。
第3の質問の貨物と旅客についてですが、ユーロトンネルができたおかげで貨物の取扱価格(フレートレート)が随分引き下げられています。そもそもユーロトンネルは営利目的のプロジェクトではありませんが、しかし一たんつくられたトンネルはずっとそこにあり続けるわけですから、その港湾に対する影響はこれから先もあり続けるわけです。旅客については、フェリー産業は4つの分野に分かれています。長距離で言うと乗用車に乗って旅行する旅客とバックパッカーの方たち、短距離は、航空機との競合関係にありますが、高速フェリーを利用する旅客の方、トラックのドライバーの方、この4つに分かれています。
(質問)
日本の場合、外国とのフェリーはほんのわずかで、私の覚えている限りでは韓国との間のフェリーだけだろうと思いますが、国際的なフェリーが少ない。今のお話を聞いていますと、ヨーロッパ大陸とのフェリーが盛んであるという印象を受けました。日本の場合、韓国や中国など大陸との間はほとんどコンテナで貨物が来ているのだろうと思いますが、なぜだろうかと考えまして、1点は、恐らくヨーロッパとの間は外国と言うよりもほとんど国内に近いような手続で貿易などができるのではないかと勝手に想像したのですが、そのあたりの障壁があるのか、ないのかを教えていただきたいと思います。
もう一点、それに絡んで、ライバルとなるコンテナやRORO船という別の輸送体系はどんな状態なのか、様子を教えていただきたいと思います。
(ベアード氏)
まず第1の質問についてですが、イギリスと日本の状況は好対照を成していると思います。日本でのフェリー・サービスはほとんどが国内であり、イギリスは国際が主です。