どういう観点から研究したらいいかと申しますと、ここに挙げてありますとおり、ほかにもポイントはと幾つかあると思いますが、まず挙げられるのが市場、競争関係、港湾、規制の4観点から研究して、それを例えばイギリスのフェリー産業とどう違うか比較検討してみるのがいいのではないかと思います。インタビューでは、そういう意味で幾つかケーススタディができればと思います。ここに挙げた基準について、個々のフェリー会社を研究したいと思います。それにより日本の大手フェリー会社とイギリスの大手フェリー会社の、どこが違うか、どこが似ているか、比較検討ができると思います。
ご清聴ありがとうございました。もしご質問がありましたら喜んでお答えいたします。
・質疑応答
(質問)
イギリスの場合、経済構造が変わってヨーロッパとの交通量が増えた。それは恐らくフェリーにとってはいい環境だと思います。ところが、そういう構造が一通り変わってしまうと、その次はフェリーが増える要因はなくなってきます。それ考えると、構造的にイギリスのフェリーが上り坂にあることをもって将来とも見通しがいいという分析をするのは危ないのではないか。それが一つ目の意見です。
もう一つは、港湾施設を民営化して見通しがついたということですが、日本でも、かつてフェリー埠頭を公社制度でやろうということで、半分民営化(公社。第3セクター制度)をしようと考えたことがあります。ところがこれはうまくいきませんでした。ですから、世界的に港湾の民営化という潮流の中にあるのですが、フェリーについては、 1番目の理由で、今イギリスではフェリーが優性であることをもって港の施設を民営化して、それでいけるのだと考えるのは危ないのではないか。日本でもそれをかつてやろうとして、結局公共所有に戻っているわけです。ですからターミナルコストの大部分は地方政府が持っている形になっています。そこのところは民営化というふうに一言でやってしまうのは大変な問題があると思います。
3つ目は、別の話ですが、日本では貨物フェリーはもうかるが旅客フェリーはもうからないと言って、今まで余り力を入れてきませんでした。フェリー会社もサービスが悪い。ですからトラックの運転手さんなどを中心に考えて、あるいは若い人を中心に考えて、ある程度サービスのいい客を相手にした旅客輸送、客船というのは余りありませんでした。最近になってようやくそういうことをフェリー会社がやるようになりました。そのことについてイギリスと日本との違いを、その辺はベアードさんからも日本で客船フェリーについて質問をしていると思うので、お聞かせいただきたいと思います。
(ベアード氏)
まず第1の質問について、これについてはマーケットがすべてかと思いますので、まだまだ伸びていく余地はあるのではないかと思います。ヨーロッパとの統合は、まず通貨統合が行われますが、その後も経済的なバリアは残っていく形になると思います。関税もない本当の統合の形ができていけば、どんどんマーケットは広がると思います。一例を申し上げますと、私の国のスコットランドと隣のイングランドとの貿易は3,000万トンです。