性脳波異常の出現した残りの3名中2名は後頭三角波を伴うものであった。
2. 基礎律動を構成する諸要素
全対象,A群,B群,B'群の,入試時と卒業後のα波と徐波の周波数,振幅についての結果を表1に示した。
?@ α波
(a) 周波数(図1)
全対象,A群,B群,B'群いずれにおいても,入試時と卒業後の周波数に変化はなかった。しかし,A群とB群を比較すると,入試時,卒業後ともB群では,最低周波数,最高周波数がA群より有意に低値であった。すなわち入試時,卒業後ともB群ではA群よりα波が低周波数であった。
(b) 振幅(図2)
全対象,A群,B群,B'群いずれにおいても,入試時と卒業後の振幅に変化はなかった。しかし,A群とB群を比較すると,入試時,卒業後ともB群では,最低振幅,最高振幅がA群より有意に高値であった。すなわち入試時,卒業後ともB群ではA群よりα波が高振幅であった。
(c) 分布(図3)
全対象,A群,B群,B'群いずれにおいても,入試時と卒業後の振幅に変化はなく,A群とB群の比較においても有意な変化はなかった。
(d) 出現量
ほぼ全例,入試時,卒業後とも中等量であり,特徴的な変化は認められなかった。
?A 徐波
(a) 周波数(図4,5)
徐波に関しては最高周波数においては,ほぼ全例が7Hzであったため,最低周波数のみを比較検討した。
全対象,B群,B'群において,入試時に比べ卒業後で最低周波数は有意に増加していた。すなわちA群を除いて卒業後徐波は高周波数に変化し