4) 負荷前後尿中mAbや血圧位と他の腎機能のパラメーター(尿中β2MG排泄量・NAG排泄量・CCr)の変動との関連性について比較検討した。
(3) 結果
?@ 高血圧群および正常血圧群における尿中mAlbの動態に関する検討
図上に示しますようにpre-mAlb排泄量はNT群16.5±3.6だg/minに対してHT群28.7±10.2μg/mmと有意な差を認めなかった。TMET負荷後のpost-mAlb排泄量は向拝とも増加傾向を示したが、NT群32.7±9.6μg/mimに比較して、HT群178.5±39.9μg/minとHT群でmAlb排泄量は多く(P<0.05)尿中mAlbの増加の程度も大きかった。
?A 血圧値・血圧の変動と尿中mAlbの増加度(△mAlb)に関する検討
△mAlbの程度により、HT群を3群、少量(HT-L)群・△mAlb20μg/ml未満,中等度HT-M群・△mAlb20以上l00μg/min未満,大量HT-H群。△mAlb100μg/min以上に分けて(図2)、血圧値について検討した。HT群の3群間ではPre-mAlbには差を認めなかった。なお△mAlbは各々NT群25.2±23.1,HT-L群17.2±13.5,HT-M群62,1±18.8,HT-H群261.5±99.5(μg/min)であった。図3は上記4群における負荷前収縮期血圧値(左側)および拡張期血圧値(右側)を示している。HT群の3群間では△mAlbと負荷前の血圧値とは関連性は認められなかった。次にTMET負荷中および負荷後の血圧値と△mAlbの程度に一定の関連性があるかどうか検討した。負荷後5分・最大負荷時・回復後5分の血圧値と△mAlbの程度は一定の傾向を示さなかった。そこで負荷後5分。最大負荷時・回復後5分の血圧値と負荷前の血圧値の差すなわち負荷に伴う血圧の変動(△BP)と△mAlbの程度との関連性ついて検討した(図4)。負荷後5分・最大負荷時・回復後5分後の△BPは正常血圧群,HT-LttHT-M群,HT-H群の何れの群おいても有意な差を認めず、一定の傾向を示さなかった。