に測定部位別ならびに年代別に図2に示した。中心窩0度、中心外3度、9度、15度、21度、27度における20、30歳代の平均感度はそれぞれ28.17、27.4、26.9、22.5、21.4、17.1(dB)であった。同様に、40、50歳代においてはそれぞれ26.0、27.6、25.9、20.8、19.9、18.4(dB)であった。60歳代では24.3、26.2、25,3、20.4、18.6、13.4(dB)であった。70歳代では23.3、23.6、22.9、17.8、16.0、12.4(dB)であった。80、90歳代では19.9、20.7、19.6、13.0、H.9、7.1(dB)であった。有水晶体眼に比較し、全体的に感度が上昇していたが、20、30歳代を除き他の年代において、有水晶体眼の結果と同様に中心外3度で感度が最高点を示し、中心外に向かうに従い低下する傾向が示された。また、すべての測定点において年齢が増すに従い感度が低下していたが、中心窩〜中心外15度において20、30歳代、40、50歳代、60歳代では統計学的に有意差は認められなかった。
2. 視力の加齢変化
眼内レンズ挿入眼の最良矯正視力の平均および標準偏差を年代別に図3に示した。54歳以下では1.21±0.06、55〜64歳1.08±0.04、65〜74歳1.06±0.06、75〜84歳0.93±0.11、85〜94歳0.80±0.15であり、加齢により最良矯正視力は低下していた。また、各年代において最良矯正視力が1.0以上を占める割合を図4および表9に示した。54歳以下および55〜59歳の群では100%であった。一方、60〜64歳、64〜69歳、70〜74歳の群では約90%であった。また、75〜79歳では67.3%、80〜84歳では68.3%と低下し、85〜89歳では47.8%、90〜94歳では55.6%であった。以上より、74歳までの群では最良矯正視力1.0の割合は、約90%以上を占めたが、75歳以上の群では70%以下であった。特に75〜79歳の群と85〜89歳の群で前の年代と統計学的に有意差を認めた(P<0.05;unpaired t-test)。
3. 色覚の加齢変化
レイレー等色の混色目盛りの値より、赤/赤十緑(以下、RIG値)を算出した。図5に、被検者の年齢(横軸)とR/G値(縦軸)の結果を示した。
今回の対象は色覚正常者であったが、年齢が増すに従い緑側にシフトする傾