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矯正視力について年代別に検討した。

3. 色覚の解析

対象は、遺伝子検索より赤錐体視物質が同一のボランティア56例とした。年齢は25〜57歳で平均35歳であった。色覚検査としては、アノマロスコープを用いて、黄の単色光と、赤と緑の混色光との色合わせ法であるレイレー等色を測定した。検査視標の大きさは視角2度であり、視標の上半分に黄、下半分に赤緑の混色光が提示される。検査は、検者が赤と緑の混色目盛りを決定し、黄の単色目盛りを被検者が変化させ、上下の色と明るさが一致する点(等色点)を決定する。混色目盛りはランダムに0.25ずつ変化させ等色が成立する値を求めた。Nagel I型のアノマロスコープは電圧によりレイレー等色に変動をきたすことがあるため、安定化電源を使用し、日を変え検査を数回施行し平均値を求めた。

 

?V. 結果

 

1. 視野の加齢変化

1) 動的量的視野

(1) 視野面積(立体角)

視野測定開始年齢が、24歳まで、25〜29歳、30〜34歳、35〜39歳、40〜44歳、45〜49歳、50〜54歳のそれぞれの群について、動的視野の面積を立体角(単位:ステラディアン)で表示し、I/4、I/2イソプターおよび盲点別に1〜3回目における平均および標準偏差を表1、表2、表3、表4に示した。24歳まで、および25〜29歳においては、5年6カ月の平均観察期間内でI/4、I/2イソプターおよび盲点の面積に有意な減少は認められなかった。30〜34歳および35〜39歳においては6年2カ月の平均観察期間内で、30〜34歳の群でI/4、I/2イソプターともに3回目の面積が1回目および2回目とでpatrcd t-testにより有意差が認められた(P<0.05)。35〜39歳群、40〜44歳群、45〜49歳群、および50〜54歳群においては、いずれの群も7年4カ月の経過観察期間内においては面積に有意な減少は認められなかっ

 

 

 

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