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ので、この検出は擬似距離そのものの変化をチェックするのではなく、衛星やデータの動きに左右されにくい観測更新前の観測残差(図3.13参照)の変化に対して行う。前回の観測残差と今回の観測残差の差が擬似距離に換算してMOPSの既定値を超えたと判断される場合、擬似距離ステップが発生したと判断し、当該衛星を測位から排除する。

(2) 信号追尾の中断を伴った場合

中断を伴った場合は、前回のデータが無いので、残差の変化ではなく、直接残差の大きさで判断する。

3.8 ソフトウェアシステム設計

3項で、各部毎のソフトウェアの基本的な設計を行った。実際には、それらの機能を実現するソフトウェアはいくつかのモジュールに分割されている。ソフトウェアの全体の構成をモジュール相互間のデータの授受の面から図3.16にDFD(Data Flow Diagram)で示す。

図中“○”はモジュールで、入力されたデータに何らかの加工を施して出力する。また“=”はデータが記憶されていることを示す。DFDでは処理のシーケンス等の情報は一切ないが、データ相互のつながりを明らかにすることにより、全体の処理の流れを把握することが出来る。

ソフトウェアはある時刻に実行出来る処理はひとつだけであるので、多数の処理の時間的な実行の順序あるいは優先順位を定める必要がある。

モジュールはその内容に応じて処理の優先順位が付けられている。同一の優先順位のものが纏められ、タスクに分割される。タスクの分割と、優先順位を表3.9に示す。タスクのレベルは数字の小さいほうが優先順位が高い。

それぞれのタスクの起動条件も、測位演算のように一定の周期で起動するもの、なんらかのイベントの発生によって起動されるもの等がある。起動の条件もあわせて表に示す。

 

 

 

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