(2) FDE(Fault Detection and Exclusion)の概要
FDでは異常を検出すると、測位に使用した衛星中に異常衛星が存在すると判断し警報を発生するのみで、故障衛星を除いても他に測位に必要十分な数の衛星が存在している場合でも正常な測位を継続することは出来ない。これに対しFDEでは、異常衛星の特定を行い、当該衛星を排除し、排除後も測位が可能な場合は測位を継続するものである。
FDEを行うためには、故障衛星と判断された1衛星を除いた後もFDによるチェックが必要であるので、衛星の数は6個以上必要である。
FDEは通常は使用可能な全ての衛星による測位を行い、FDによる異常の検出を行う。FDで異常が検出された場合、使用した衛星群の内から1衛星ずつ除き測位を行い、1衛星を除いた状態でFDを行う。その結果正常と判断されれば、除いた衛星に異常の原因があったものと判断し当該衛星を排除する。排除して計算した結果を正常な測位結果として出力する。
FDEに先だって測位に使用した衛星を1衛星づつ除いてHPLを計算する。そのうち最大のHPLをHEL(Horizontal Exclusion Level)と称し、FDEの可否判断の基準とする。
HELの値が要求された精度であるHALの値以下であればFDEが可能である。
FDEの判断の概要を図2.3に示す。