回転表示画面用のイメージメモリに書き込まれたデータと固定画面用イメージメモリに書き込まれたデータは、表示選択されたビットプレーンのみが決められた優先順位で重ね合わされ、表示される。
気圧高度計からは11bitのパラレルデータとアナログ信号で高度データとQNHの設定値が入力される。このデータからQNHの補正計算を行い、高度データとしている。本機上評価装置では、CNS-12の位置通報機能やGPSのRAIM機能を正常に働かせるために、QNH補正前の気圧高度データを入力する必要がある。このため、DMS-80からデータ処理部へは、QNH補正前の気圧高度とQNH補正後の気圧高度の両方を出力する。
音声合成出力部は機体のICSと接続されている。これにより音声やチャイムを鳴らして、パイロットに注意を喚起することができる。ICSインターフェースから出力される音は、現状のDMS-80で使用しているものとは別に新たに何種類か登録して使用する。なお、このチャイムや音声は、パイロット席およびコパイロット席のICSのみで聞こえるように接続するため、キャビンのヘッドセットでは聞こえない。
データ表示部からは、気圧高度データのほか、機首方位データやGPSの位置、速度、時刻などのデータも一定周期でデータ処理部に送られる。これらのデータはデータ処理部の中で使用されるとともに、必要に応じて評価用のデータとしてロギングされる。
(3)データ処理部
データ処理部はACARS通信部とデータ表示部の間に接続され、地上からアップリンクされたメッセージをACARS通信部より受け取る。データ処理部の中でアップリンクメッセージからのデータ抽出・データ変換が行われ、データ表示部に送り出される。
またデータ処理部は評価用データを蓄積するためのストレージを持ったコントローラとしての機能を持ち、全データフローを管理するとともに評価データを保存する。
データ処理部は他のユニットと様々なデータを送受信するため、RS-232CやRS-422のシリアルインターフェースを拡張する。さらにパラレルインターフェースを拡張し、ACARS通信部にOOOI信号を送る機能を持たせる。OOOI信号はデータ表示部から入力される高度・速度のデータをもとに、機体の離陸と着陸を判定して生成される。