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7.2 動作原理

 

7.2.1 内部構成の処理ブロック図

 

機上評価装置内部での処理機能ブロック図を図7-2に示す。また、各アプリケーションが使用する内部処理ブロックを表7-4に示す。

 

(1)ACARS通信部(CNS-12)

ACARS通信部は、通信全体を制御する演算制御部を中心にキー操作部、表示部、GPS受信部、ACARSモデムおよびVHF無線部で構成されている。

ACARSモデムは演算制御部からのデジタルデータをACARS信号に変調してVHF無線部に送ると共に、逆にVHF無線部からのACARS信号をデジタルデータに復調して演算制御部に送る機能を持つ。

ACARS信号は、VHF無線部によって無線信号に変調され、VHFアンテナを通して地上に送信される。

GPS信号は分配器を通してGPS受信部に入力される。データ処理部経由で入力される気圧高度データと合わせて位置通報メッセージが生成される。このメッセージは、地上評価装置からの設定に従い自動で送信される。

地上評価装置からアビコムJDLC経由でアップリンクされる信号はVHF無線部、ACARSモデムを経由し、演算制御部で選別された後データ処理部に出力される。

各種アプリケーションのリクエストなどのパイロットの操作は、キー操作部を通して入力され、ACARSの信号に変調されてVHF無線部から送信される。

 

(2)データ表示部(DMS-80)

データ表示部は、データ表示部全体を制御する演算制御部を中心にGPS受信部、機体に既に搭載されている他の機器(方位ジャイロ、ICS、気圧高度計など)とのインターフェース、地図描画部、固定画面制御部および表示部が接続されている。

地図描画ブロックは、GPS受信部で求めた自機の緯度経度、速度をもとに自機位置周辺の地図を描画する。地図描画部は、地形データをもとに標高データについては3次曲面補間演算を行い、指定された縮尺の地形を生成する地形補間器と道路や河川などのベクトルデータをカテゴリ毎に決められた回転表示画面のイメージメモリに描画するベクトル描画器から構成されている。

この地図描画部につながる回転表示画面のイメージメモリに書き込まれた地図は機体の機首方位を指す方位ジャイロの信号をもとにリアルタイムに回転しながら読み出される。今回付け加えられる気象画像など、地図と一緒に回転して表示されるデータを、この回転表示画面用のイメージメモリへ情報を書き込むことによって、機体の動きに合わせたリアルタイムな表示を実現することができる。

固定画面制御部は、固定画面のイメージメモリを描画するコントローラである。フリーテキストやメニュー表示など画面に固定して表示されるデータは、固定画面制御部によって固定画面用のイメージメモリに書き込まれる。このイメージメモリに書き込まれたデータは回転せずにそのまま表示される。

 

 

 

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