コー強度」がもっとも優れているといえる。ここでは主にこのレーダーエコー強度について記述していくが、その他の判断指標も考慮に入れたうえで、詳細設計時に実際に評価システム上において利用する気象画像情報を定める。
(2)マルチブロックの利用
ACARSには1メッセージで利用可能な文字数が220文字という制限があるため、気象画像情報のような大容量のデータを送る場合はマルチブロック(220文字を超えるメッセージの場合、複数のブロックに分割して送信し、受信した際に元のメッセージに復元する)で送信する必要がある。
ACARSでは最大16ブロックまで可能であるが、あまり多いブロック数を使用することはACARSの通信容量から考えて支障が大きく、伝送誤りが生じる可能性も高くなる。したがって試作評価システムにおいては圧縮率が最悪の場合のバックアップ的な利用に限定すべきである。
(3)気象画像データ1メッシュの内容
ここでは、レーダーエコー強度を例として、気象画像データ1メッシュの内容を検討する。日本気象協会より入手するレーダエコー強度は15段階からなる。15段階のまま送信すると仮定するとACARSの通信容量からみて負荷が大きくなるため、パイロットが区別できる最小限の段階にデータ処理を行う。具体的には1メッシュを2ビットで表現可能な「非常に弱い」「弱い」「並の」「強い」の4段階とする。なお4段階の区分には、AEISが提供する情報であるエコー強度区分と対応する降水強度(AIP GEN3-21)を参考にする(表5-3参照)。
(4)気象画像情報の圧縮
気象画像の場合、各メッシュについて同じデータが連続する確率が高く圧縮による通信効率の向上が期待できる。圧縮方式には種々考えられるが、ここでは機上側での解凍処理負荷を考慮して、処理が簡単なランレングス圧縮を採用する。具体的な圧縮の処理は以下のとおり。
・2メッシュ(4ビット)+1ビット(圧縮情報)を1単位(5ビット)とする。
・上記ビットに対しランレングス圧縮を行う。
・ACARSで伝送可能なキャラクタ(文字)にマップする。
00h〜09h →“0”〜“9”へマップ …非圧縮データ
OAh〜Ofh →“A”〜“F”へマップ… 非圧縮データ