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図4-8からわかるように、曲線Bと領域Px+Py≦Cmaxが接する点におけるPx,Pyを選択することにより、一定コスト内で最も効用の高いシステムを構築することが可能となる。つまり、図4-8の例では、角までの機能を有するシステムを構築することが可能であるが、a3のシステムを構築することが最適であるということができる。現段階ではこの費用対効果については概論的な記述にとどめるが、今後の調査研究の中で、この「費用」と「効果」を定量的に記述し、最適な機能モデルを導出していく必要がある。

 

(2)ユーザ負担コストの変化と市場需要

ユーザ負担コストが低下していくと、通常、市場需要は増加していく。ある運航者が運航支援のための機上システムを導入する台数X(1台あたりの価格Px)と、その他の機器の装備台数Y(1台あたりの価格Py)について、図4-8と同様の曲線(図4-9)を描くことができる。

 

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運航支援システムまたはそのサービスの価格Pxが下がることにより、ユーザ負担コストの上限を表す直線はA→B→C→Dと変化していく。このとき、X,Yの最適な組み合わせを表す点の軌跡は図4-9の「価格拡張経路」に示されるような形で変化していく。この価格拡張経路から需要曲線を図4-10のように導出することができる。ここでは一運航者の需要曲線と市場全体における需要曲線を同時に示している。市場全体での需要は一運航者の需要に対して価格に敏感であることがわかる(わずかな価格の変化により、需要が大きく変化する)。

 

 

 

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