各システムの特徴は、以下の通りである。
(a)Mode S(1090MHz)extended squitter
・1090MHzチャネルのモードSのスキッタフォーマットを使用する。
・航空機関のノミナル距離は、30NM
・航空機と地上局との距離は、セクタライズされたアンテナにより延長される。
(b)Swedavia(VHF)STDMA system(VDLモード?)
・25kHzの帯域を持った複数のVHFチャネルを使用する。
・送信速度は変更可能
・航空機関のノミナル距離は、100NM
・タイム・スロットを有効に使用するために、地上の管理が必要
・ユーザーは、1台のVHF送信機と複数の受信機を持つことが必要
・システムが全体的に複雑であり、Certificationを取得することが困難
(c)UAT(broadband clear channel)
・単一のワイドバンド(2〜3MHz)チャネルを使用
・航空機関のノミナル距離は、70NM
・変わり続けるADS-Bの要求に柔軟に対応可能
・複数の放送サービスを同時に可能にするバンド幅を有している。
・TCAS/モードSとは独立しているので、それらと共通の故障モードはない。
以上の結果より、MITRE社ではADS-Bを実現する通信方式として、UATによる通信を採用している。
(8)システムのデモンストレーション
ヒアリング当日に、委員会調査団に対して多目的放送型データリンクシステムのデモンストレーションが実施されたので、本項に簡単に記述する。
MITRE社の計算機室において、シミュレーション・デモンストレーションによるディスプレイ表示を見学した。GPSの信号はSUNのワークステーションによりシミュレートされている。UATのエミュレータはパソコン上で動作しているコックピット・シミュレータでは、気象情報、トラフィック情報の表示がなされ、実際にパイロットを代表している委員が操縦席にすわり、視認性や操作性を確認した。
地上の放送サーバーであるARPには、全ての放送サービスが表示された。図3-23および図3-24にヒアリング当日のデモンストレーション風景を示す。