2.4 FANS機上装置の操作性の調査
CPDLC模擬通信を行ったフライトにおいて乗員から、機上装置の操作性、および模擬通信実施中に発生した不具合等についての情報を収集した。以下にその項目を示す。
? 便名の入力方法がAOCメッセージ使用時と異なるため紛らわしい。
? メッセージがOPENのまま残ることがあった。
? 返事が来るのに時間がかかる場合、メッセージが届いているかどうか不安である。
? AOCメッセージ受信時にEICAS上にメッセージが出ない。
? チャイムの音が大きすぎる、又音色がキャビンインターホンと同じで紛らわしい。
以下にそれぞれの詳細を記す。
? 便名の入力方法がAOCメッセージ使用時と異なるため紛らわしい。
便名入力の仕方が、通常のフライトの場合と、CPDLCの場合とで異なっている。日本航空6便を例に挙げると、CPDLC以外では便名を「JLO06」のように入力していたが、CPDLCを実施する場合は「JAL6」と入力しなければならず、双方に差違がある。同じ機材で、CPDLCの場合と、それ以外の場合とで便名の入力の方法が違うので、間違いやすい。
? メッセージがOPENのまま残ることがあった。
何らかの理由により地上からの応答UPLINKメッセージが機上に送達されなかった場合、又は返事が遅いために同じメッセージをRE-SENDした場合など、対応するREPLYが無くなる場合がある。そのような場合は、先にSENDしたメッセージがOPENのまま残ってしまう事になる。このようなメッセージがOPENで残ったままの状況で、たまたま地上から別の意図のもとで対応するメッセージがUPLINKされてしまった場合などに問題が発生する可能性がある。このようなOPENで残ったメッセージをどのタイミングで削除するべきか判断しかねる。