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2.3 海外サービスプロバイダー等の調査

CNS/ATMシステムの運用には、ATSメッセージを確実に、しかもより早く、最も適切なルートで送達することが重要となる。このルーティング機能については各サービスプロバイダー毎に処理機能を持っている。本章では、ARINCおよびSITAのATSメッセージのルーティングをつかさどるシステムについて調査した。ARINCにおいては、A6R(ARINC 622 Router)とよばれるシステムにおいて、ATSメッセージのルーティングを行っている。またSITAでは、CAA Server(以下CAAサーバ)が行っている。以下では、SITAのCAAサーバを例にとり、ATSメッセージのルーティング処理について述べる。

 

(1)トラッキングテーブル

CAAサーバ内にはトラッキングテーブルをもっている。このトラッキングテーブルには静的データと動的データの2種類がある。静的データとは、各機材がそれぞれどのプロバイダーと衛星によるデータ通信機能を契約しているかの情報である。一方動的データは、各機材が現在どのメディアにログオンしているかの情報が常にアップデートされている。

このトラッキングテーブルの動的データの更新は、メデイア・アドバイザリー・メッセージ(SA Label)のみによって行われている。

このメデイア・アドバイザリー・メッセージは、インターネットワーキング1により、他サービスプロバイダー間で共有される。ARINCで受信された場合は、AFEPSからA6Rに送信されると共に、SITAのCAAサーバやAVICOMシステム宛に送信されてくる。AVICOMで受信された場合には、AVICOMホストから同様にARINCのA6RとSITAのCAAサーバ宛に送信されてくる。従ってCAAサーバでは、ある機材がどのメディアと通信可能な状態かを他のサービスプロバイダーの情報も含めて所有している。

(2)UPLINKメッセージのルーティング処理

UPLINKのATSメッセージは、全てCAAサーバ宛に送信されてくる2。この時点でCAAサーバは、まず静的データトラッキングテーブルを参照し、該当機材が衛生データ送信についてどのサービスプロバイダーと契約をしているかを確認する。それに基づいて以下の様な場合分けに従い、UPLINKのルーティングを行う。

1本報告書の付録Cにインターネットワーキングの資料を添付した。

2AOCメッセージはASP宛に送信されてくる。

 

 

 

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