れても耐え得るように設計されている。これは最近改訂版が発行されたRTCA DO-160Dにも新たなカテゴリーとして設定されている。
・ ワイヤー・シールド:(フライ・バイ・ワイヤー関連配線)(1)胴体内部では関連ワイヤーを束にして一重シールド(2)胴体外部では二重シールド(3)電源関連も含めツイスト・ペアー線の多用、更に信号線にはシールドされたツイスト・ペアー線を使用(4)胴体外部では接地なし、接地は一点接地として対応する機器のシャーシー内で行う。
・ ボンディング:777では重量軽減の目的から複合材が多用されている。雷の影響を受けやすい部分においてはそれらにアルミのメッシュ層を入れ電気的なボンディングを行っている。
・ その他:更に必要に応じて配線の通る空間を金属箔で囲む等の処置がなされている。
2.3.3 HIRF
HIRFに対しては上記被電対策に加え以下の対応がなされている。
・ コックピットやE/E Bay等のシールド:(1)コックピット窓への導電性コーティングの使用(2)コックピット壁へのアルミフォイルの使用(3)一部客室床板へのアルミフォイルの使用(4)E/E Bayと貨物室間の間仕切りへのアルミフォイルの使用(5)E/E Bay以外に設置されたラック全体をアルミ板でシールド
・ 機器の入力端へのフィルターの装着
・ 機器入力端でのシールド端末処理方法を詳細に定義
これらについては実験室レベルでの試験を行い、更に解析によって777での耐HIRFを証明したものと思われるが詳細は入手することはできなかった。
2.3.4 静電気関連
詳細データは入手できなかったが、機体からの散電気放射については型式証明取得のための試験飛行を通じて問題が無かったこと、又、機体内部の静電気についてはRTCA DO-160Dに新たに追加された試験方法と同等な方法にて試験が行われたものと推測される。
2.4 国内航空会社における事例の収集
本委員会の委員を務めた国内航空会社より報告された1997年3月以降の事例を次ぺージの表-6に示す。