私たちのお世話になったメリーランド州は神奈川県の友好都市で、以前パンフレットを頂いたこともあって、日本に近い感じが持てる州だった。その日から数日この受け入れ州のメリーランド州で過ごした。このプログラムの受入れ側のエスコートであるジムさんは、前年訪日団のエスコートとして来日した方で、親日家だが、この人がいなかったら今回の訪米は無意味だったかもしれないと思わせる程の人物であった。一言に州といっても広大な面積で、その中の車での移動をすべて1人で運転し、また各地での交流のコーディネートを担当し、私たちに私たちの在り方をも教えてくれた人であった。メリーランド州のプログラムは、州都のボルティモアにあるこのジムさんの家に最初5泊させてもらい、そこからいろいろな場所へ案内していただいた。ボルティモアは港町で多くの船が停泊し、人々は港に集い、にぎやかで、都会でもなく田舎でもなくアメリカらしさを感じさせる街だった。バルティモア初日は日本食レストランに行って夕食を頂いた。美味しかったし、心遣いが嬉しかった。他にも港町としての歴史が分かる昔の海軍の施設や、海が1面見渡せる丘などへ行って、以前はアメリカの首都だったこの街を説明を受けながらまわった。海軍の施設は今はまったく使っていないが、当時のままに保存されていて、洋上の敵の戦艦に対して国旗のサイズを変えておびきよせ戦うという方式まで説明を受けた。当時のフィルムや基地の映像上映後には、暗室だった部屋のカーテンが空き、庭にある国旗に対し国歌が流れて敬礼する国民をみて、日本の愛国心は程遠いと感じた。また古いものだけでなく、新しい水族館や世界中にあるハードロックカフェという店、丘にはかなわないが街を見渡せる高層ビル等も入場して見てまわった。
水族館では5Fくらいあったのか大きい事もあって数多くの魚類、ヘビ、熱帯地方の鳥まで見ることができスケールの大きさに感心した。ビルでは最上階が展望室になっていて、メリーランドとの友好都市が紹介されており、日本のコーナーには工芸品や箸置き等があって、値札がついている物もあった。夜にはCAPのメリーランド隊との夕食会がありアメリカの学生(12才〜18才)達とゲーム、バレーボール等をしながら楽しんだ。その場に来ていた50才前後のおじさんのマジックには参加者一同感心しきりだった。中でも私の服に火のついたタバコを押し当てて、そのタバコ自体を消してしまったものは本当に不思議だった。他にもおじさんは日本からのゲスト、と女の子達にゴム風船を使って上手に小動物等を作ってくれた。気が付くとあっという間に時間は過ぎていった。前にも少し書いたが州は広い。メリーランド隊といってもその中でまた細かくなって、その地方ごとに点在しており、それぞれに私達を連れていってくれた。アメリカの学生達にとっても日本からのIACEプログラムの学生を合わせることで隊員の啓発になるようだった。AOPAという団体にもいって見学させて頂いた。日本に支部を作るのに何年か来日していたという上役の方にお会いしてお話をきいた。団体の内容になると話しが難しかったがとても興味があった。いい所だけ見せてくれたとしても、いい活動をしている団体だと思う。午後からは訪米団みなが楽しみにしていたグライダーの体験搭乗が行われた。