記
1 航行中における安全対策
(1) 天候予測のための情報収集に努めるとともに,台風情報の早期把握に努めること。
(2) 台風の接近時にあっては,出港中止の早期判断,早期避難に努めること。
やむを得ず航行する場合においては,台風の進路に十分注意し,台風に接近することのないよう努めること。また,可能な限り,台風の右半円(危険半円)に入らないよう適切な進路選択に努めること。
(3) 荒天遭遇が避けられない場合においては,海水の打ち込みによる損傷・浸水防止,波による衝撃緩和のための減速,変針等の措置をとること。
(4) 運航会社にあっては,以上の航行安全対策を踏まえた出港中止基準,避難基準を定めるとともに,運航管理責任者を定めるなど,安全な運航管理のために適切な措置を講ずること。
2 避泊中における安全対策
(1) 自船の喫水,風圧面積,錨地の水深及び底質などを考慮して,双錨泊又は適当な錨鎖を伸出する等の対策をとること。
(2) 軽喫水の船舶及び風圧面積の大きい船舶は特に走錨し易いので,バラストの注水,トリムの調整,錨鎖の十分な伸出,機関の使用等により走錨を防止すること。
(3) 錨泊中の他船と安全な距離を保持し,他船の走錨,風向の急変などに注意すること。
(4) 船橋に常時当直者を配置し,付近の見張りを強化するとともに,機関及び揚錨機をスタンバイ状態とすること。
(5) 最新の気象情報の入手に努めるとともに,VHF(CH16)の聴取を励行すること。