通用するものではありません。同じ現象が地方によって違う呼び名であったり、同じ呼び名が地方によって異なった現象であったりします。だから、ことわざは、その地方限りのものであることが多いことを十分認識しておく必要があります。
しかしながら、科学的な天気予報にも限界があります。特に局地的な気象現象は、その土地特有の大気の状態と密接な関係がありますので、その地域の天気予報に加えて、先人から言い伝えられてきたその土地のことわざや言い伝えを利用すれば、天気予察は更に正確なものになるでしょう。
(3) 雲の種類とことわざ・言い伝え
一般的なことわざや言い伝えと、静岡県・関東地方の沿岸地方に伝わることわざや言い伝えのなかから、雲の種類と天気についての関係を次のように整理してみました。ところが、雲の種類は多く、はっきり仕分けしにくい点もあり、重複するところ、多少解釈の違うところもあろうかと思います。この点をあらかじめ断っておきます。
I. 巻雲(上層の雲・通常高度5,000〜13,000mに現れます)
写真1参照
○ 白い細長い雲は天気変わりなし。(静岡・御前埼地方)白い細長い雲(かぎ状の巻雲)は上層気団が安定していることを示しています。まだまだ天気は続きそうです。