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北半球では大陸が多く、上層の気流の乱れが多いので下層での偏西風は発達しにくいのですが、南半球では大陸が少ないので偏西風はよく発達します。そして、南緯40度付近の偏西風は特に強く海は大荒れとなるので、船乗り達はローリング・フォーティーズ(roaring forties、吠える40度)と呼んで恐れていました。

 

偏西風の中で極めて強い風はジェット気流と呼ばれ高さ10〜14キロメートルのところに最強のところがあり、ときには風速100m/sを超えるところもあります。ジェット気流の中心の平均の緯度は、夏は高緯度(北緯45〜50度)にあり風速は比較的弱いのに対し、冬は低緯度(北緯30〜40度)に移動し風速も強くなって、ときには100m/s以上になることもあります。

 

3. 大気の状態を表す言葉

 

地球をとりまく大気の状態を表す言葉に気象、天気、天候、気候があります。これらの言葉はよく似た言葉なので、しばしば混同して使用されているので注意しましょう。

 

(1) 気象

 

気象とは大気の温度・湿度などの状態や風・雲・雨など、大気中で起こる自然現象をいいます。ある場所の気象状態はその場所での気温・湿度・気圧・風・降水量・雲などを観測して知ることができるのでこれらの要素を「気象要素」といいます。

 

 

 

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