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風浪は風によって起こり波高は風速の2乗に比例するが吹続時間,風程(fetch)が長い程高くなるので中々とらえにくい。

また,風には息があって瞬間風速は10分間の平均風速の1.5倍であることが気象庁の長期統計の結果明らかになっている。

風浪は波動となって海面を伝播するが,その過程にある波のことを,うねり(swell)と言っている。

風浪の波高と,うねりの波高が合うと合成波高となって全体の波高は,更に高くなる。

普通波長と波高の比を岨度と言って,これが1/7になると波頭がくだける。抵抗の無い太洋上では風程や吹続時間が非常に長いので10m/secの風で5m,20m/secの風で12m,30m/secの風で20mの波高があると言われている。

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上のグラフは気象学者 重田貞久先生が作られた風速と波高との関係で風程は色々加減してあるので考えなくてもよくなっており日本近海や大きな湾で使用してうまく合う。

先生の許可を得て掲載したもので是非利用してほしい。

一定方向から連続強吹する風で出来る表面波の波高は12mまでと言われているが2方向以上の複合波や,うねりによる合成波を考えると波高は1.5倍〜2.0倍にもなる。

今までに観測された最大波高は太平洋で34m,大西洋で30m,三陸沖で18mと言うのがある。

沿岸,外洋波浪図,船舶気象通報(ローカル気象)は必ず利用して沖に出てもらいたい。沖に出てバロメーターがどんどんさがる,うねりが出る,雲の流れが早くなる,水平線がみだれる,西の空に積乱雲が現れる等と言った変化は荒天予知に欠かせない時化の前兆である。

 

 

 

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