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避険線の選定

?小型船は5m等深線以内には入らない。

        (新)               (旧)
等深線は――5――と書いてあったり・・・・・・・・・・と書いてあったりするから,赤エンピツ等で色分けして解り安くしておく。

?トランジット(二目標の重視線)上を航走する。この場合,航進目標針路線が避険線の役目もしている。

?前方-目標による避険線の記入は,下図を参照にすること。

006-1.gif

目標を105°に見て走ること。この場合,

006-2.gif

が避険線となる.

?レーダー避険円,危険物と陸岸の距離をレーダーの可変レンジマーカーにとって,この円が海岸に接しない様に航走する。以上4点位の避険線は誰にでも出来ることだから是非実行してもらいたい。避険線には,この外にもセキスタントで,物標まで垂直危険角や水平危険角を測って,この角度より大きな角度にならない様に航走する等の方法もある。井上式三角定規の使い方にも慣れていた方が便利である。

実際の航法

この項は,航海計画の説明とか手順の問題では無いが,あなたのプランを実行するのが航法であるから,航海知識の整理と言った意味で一口メモ的な補完説明をしてをく事にする。最近はロランCやGPSと言った電子計器が普及し,小型化が進み価格も廉価で大抵のP・Bに装備されていて,測位も昔と較べれば随分と便利になった。沖に出て実際に船を走らせて見ると,あれだけ色々と考えて記入したB針路線上を船は必ずと言っていい程走らない。定時間毎に船位を実測(OP)し,同時刻の推定位置(印),或は推測位置(DR)と結んで変位方向や変位量を作図で求め実航進路と,実航速力を計算する。得られた変位量を加減して針路補正をし,次の変針点に向い,推定針路上に復帰する様に航走する。航海はこの作業の連続である。

?自差を計る。出来るだけ格好の重視線を結んでその磁針方位を計っておき,自分のコンパスで実測して,二物標が重なった方位を読む,コンパス方位が中心から磁針方位の左側にあれば偏東自差,右側にあれば偏西自差である。360度分法では,偏東自差はコンパス方位にプラスする。コースティングは真方位でなく,磁針方位で充分である。測った自差はその時の船首方位に対する自差である。

 

 

 

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