日本財団 図書館


これだけでは船の位置は分かりませんが海図上に引いた,この2物標を結ぶ延長線の上の何処かに居る事だけは確かです。こんな時90度位重視線と開いた角度の他の物標の方位をただ1本さえ採れば船位はすぐに決定することが出来ます。重視線上を走って目的に接近する事をホーミングと言います。又狭い水道や港の出入り口等には人工的に作られた重視目標(導灯)が設置されています。重視線はコンパスの自差測定にも利用します。

?4点方位法

010-1.gif

角度11度15分(11°15′)を船では1点と呼んでいます。4点は45度で直角2等辺三角形の性質を利用した航法です。針路に対する目標物の真横距離を求めます。

1) 自船の出している速力が今何浬か知っておく。

2) 物標が船首から45度に見えたら時計を読む。

3) そのままの針路で物標が真横に来たら時計を読む。

4) かかった時間と船速から走った距離が分かる。

5) 物標からの真横距離は4)の距離と同じ。

6) 正横時の方位と距離が分かるので船位が決まる。

他にも三角形の性質を利用した船首倍角法が有ります。

?両測方位法

1本の方位線だけで船位を求める方法です。普通ランニングフィクスと呼ばれています。1物標の方位を2回時間をおいて測り,針路と距離は分かっていますので1回目の方位線を走った距離まで平行移動して2回目の方位線と交わらせて船位とします。

1) 1ツの物標の方位を測り時計を見る。

2) 同一針路,速力で走り時間をおいて,又前の物標の方位を測り時計を読む。

3) かかった時間から走った距離を出す。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION