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それ以下の料金を設定する。

このため運営委託した民間企業が不当に不利益を被らないよう、料金の調査をし、定期的に見直しをしている。

 

(3) 民営化の効果

・ コストの低減

貨物量により異なるが、荷役料は20〜50%減少した。特に穀物及びその関連貨物における港湾費用は9ドル(1989年)から3.5ドル(1996年)に下った。

また、輸入コンテナの荷役料については、450ドル(1991年)から120ドル(1996年)に下った。

・ 生産性の向上

ステベドアの労働者は3,200人から1,200人に減った。

General Port State Companyは雇用者を3,980人(1991年)から450人(1996人)に減らした。

この結果、1人当りの年間貨物取扱量は800t/人/年から3,050t/人/年に増加した。

また、フルコンテナ船の接岸時間は1.5日に、1時間当りのコンテナ取扱量は1船当り50個となった。

・ 投資の増加

ブエノス・アイレス港とドックスド港(旧ブエノス・アイレス港南地区)ではコンセッション契約後2年間で、210百万ドルの投資が、また、それ以降に91.3百万ドルの投資がなされた。

また、約90haの土地が港湾作業用に転用され、また、コンテナクレーンが3基から13基に増加した結果、フルコンテナ船用の荷役用の土地及びクレーンは四倍となった。

 

(4) 民営化に当っての配慮事項

・ 雇用問題

研修コースを作成し、コース終了者を他企業に斡旋したり、コンセッションの企業に吸収してもらった。

・ 港湾労働問題

以前は日雇いを相当数使用していた。現在は各サービス企業とも社員制にして、社員のみで運営している。

・ 雑貨埠頭への投資

雑貨取扱いの埠頭については、以前からの施設をそのまま使っており、クレーンについてのみ民間が投資した位である。

 

 

 

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