3) 主要港湾の港湾管理制度
3-1 バイア・ブランカ港(州の管理で理事会が設置されている例)
(1) 概 要
バイア・ブランカ港は、ブエノス・アイレス州の南部に位置しブエノス・アイレス市より650kmの距離にある。
港湾はカサブランカ湾の湾内北部に位置し90kmの航路を所有している。
航路の深さは45feet(約15m)、幅は190mあり、2億ドルの工事費で33feetから45feetへ増深した(1993年〜)。この増深工事は全額国費で実施した。
年間400万 の維持浚渫が必要であり、この費用は国、州政府、港が各1/3ずつ負担している。
1996年の港湾取扱貨物量は5,511,025トンであり、うち、穀物3,672,595トン(うち小麦1,318,476トン、とうもろこし653,186トン)、石油関係1,433,698トン、その他404,732トンである
1996年の入港隻数は穀物関係276隻、石油関係230隻、その他85隻、合計591隻である。
(2) 管理・運営
1992年、法律第24,093(港湾法)により港湾の運営権(不動産所有権、開発権限、計画機能、オペレーション等すべて)が中央政府からブエノス・アイレス州に譲渡された。但し、港湾法の第12項により、ブエノス・アイレス港、バイア・ブランカ港、ケケン港、ロサリオ港、サンタフェ港については、州(province)に移管されるまでに、民間の管理組織を作ることとされている。
そして、港湾の全活動は本管理組織に置かれた理事会で決定される。
ブエノス・アイレス州は州法第11,414により、州が管轄する民間団体であり、港湾の全ての管理・運営に対して責任をもつ組織「バイアプランカ港管理組合(Consorcio de Gestion del Puerto de Bahia Blanca)」を設立した。
こうして1993年9月1日に、アルゼンチン国では初めての自治権をもった港が誕生した。
現在の理事会のメンバーは次のとおりである。