OGMOの設立に際しては、連邦政府は労働者が労働組合から抜けるために、1人当たり15,000ドルの一時金(賠償金)や、労働者が荷役会社を設立する時には、1人当り、5,000ドルの支援金を払った。
3) 主要港湾の管理運営制度
―サントス港の管理運営―
3-1 概要
現在、サントス港を管理・運営しているのはサンパウロ州埠頭公社(Companhia Docas do Estado de Sao Paulo:CODESP)であり、他にラグナ港の管理運営も実施している。
CODESPの業務は日本で言えば、海上保安庁、港長、港湾管理者、荷役会社の業務であり、
・ バースの割り付け
・ 臨港鉄道の管理(連邦・州鉄道が乗り入れて来ている)
・ タグ業務(CODESPがタグボートを所有)
・ 浚渫業務(CODESPが浚渫船を所有、外注もある)
・ 給水・給油業務(CODESPが小型タンカーを所有)
・ 水上警察(CODESPに500人)
・ 荷役作業(民営化したところは民間が荷役)
・ 工事監督
などの業務を行っている。また、OECFローン、世銀ローンが付いている連邦工事についても、予算は連邦政府だが、工事の実施はCODESPが行っていたり、連邦担当の浚渫についても、CODESPが予算を立てて実行していたりと複雑である。
以前は、CODESPが設備投資資産に充てるためタリフにプラスして港湾付加料金を徴収し、平均して30%をCODESPが使っていた。
港湾審議会はすでに設立されているが、OGMOは未成立である。これはCODESPの2,500人の労働者のうち200人を残してOGMOに登録することとしているが、労働者間で対立があるためである。
3-2 リースの方法
CODESPが実施しているリースの方法は、
・ CODESPが作成したマスタープラン(実際には未策定)
・ リースを受けた企業が場所と計画を提案
・ CODESPが提案内容を評価
・ 公聴会を開いて入札条件を決定