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と、各ブロック毎に1票ずつ与えられており、賛否同数の時は議長が決定することになる。

この結果、労働組合の権限は大きく制限されるとともに、連邦政府が調整、最終決定権限を有していることとなる。

この審議会で港湾料金、港湾開発計画、未利用地の使用計画、民営化の規則、ターミナルの運営規則、リース契約などを決定する。

港湾審議は1993年に港湾近代化法が設立して、1ヶ月後には全港湾で設立され、埠頭公社以外の州管理、民間管理の港湾にも設立されている。

 

(5) 労働者管理機関(Orgao Cestor de Mao-de-obra:OGMO)について

「港湾近代化法」のもう1つの大きな柱が「労働者管理機関」の設立である。

従前は、労働組合の方で、荷役作業の労働者数を決定し、超勤時間も自らに設定し、不公平な仕事も行っていた。

このような労働者による港湾運営の独占と特権を排除し、運営コストの削減、労働者の質の向上、24時間操業の確立、労働力の効率的投下と統一した管理を目的に、「労働者管理機関」が設立された。

OGMOは各港湾に1機関設立され、港湾労働者全員がOGMOに加入し、OGMOが需要に応じて荷役会社に派遣する。

またOGMOでは労働者への研修、訓練も実施する。OGMOは連邦、州などの公的部門からは完全に切り離され、荷役会社代表2人、労働者代表2人の4名の理事により運営されている。

荷役会社は独自に労働者を自社の従業員として雇用(この従業員はOGMOに登録は必要)して、使用してもよいし、必要な時にOGMOから労働者を派遣してもらってもよい。

OGMOには常雇いの労働者だけでなく、日雇い労働者も登録されている。

OGMOの設立については、様々な障害が発生した。1993年の港湾近代化法の設立に際して、

・ 港湾労働者のストライキ

・ 国会への陳情活動

 

が行われ、港湾近代化法の草案ができてから成立するまで2年、港湾近代化法が成立してからOGMOが設立されるまで1〜2年かかっている・最終的には、当時の運輸大臣(BAYMA DENNIS氏)の努力と世論(国民が労働組合の意見に賛同しなかった)により、決定した。

しかし、リオ港、サントス港では、OGMOの建物の破壊、殺人まで生じており、反対者の火種は残っている。

また、小さな港(例えばペロータス港)では、荷役会社もOGMOもなく、港湾当局が直接運営しているところもある。

 

 

 

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