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に、現在多岐にわたっている相談機関や相談事業の必要な見直しを図り、地域における相談の専門性と総合性ができる限り集約化されるようにすべきである。

(2) 問題の早期発見と早期対応

・ 虐待や家庭内暴力など家庭に潜行しがちな問題が増加していることを踏まえ、それが深刻化、複雑化する前に、地域の中でこれを早期に発見し、迅速に対応することがますます重要になってきている。

・ このため、児童委員(主任児童委員)など地域の福祉関係者のみならず、保健医療、教育、司法・警察等の関係者の意識の啓発を積極的に図る必要がある。また、こども家庭支援センターを中心として、こうした機関・団体や虐待防止センター等の民間ボランティア活動を含めた地域の関係者の連携を強化し、問題の早期発見、早期対応にあたる体制を充実すべきである。

(3) 地域におけるアフターケアの充実

・ 施設退所後の児童の自立を支援するため、退所後も自立までの必要な間、施設が適切なアフターケアを行うことを基本としつつ、特に自立が困難な児童に対しては、児童委員(主任児童委員)によるきめ細かな支援を図れるような仕組みを検討すべきである。

・ また、施設と在宅の中間的な形態として、地域の中で児童の生活訓練を支援する民間の自立援助ホームのような事業を制度的に位置付けていくことも検討すべき課題である。

(4) 里親制度について

・ 里親制度は、児童を家庭的環境の中で養育を行う制度であるが、里親委託児童数は長期にわたり減少する傾向にある。里親制度については、児童の年齢や家庭環境などその態様を踏まえ、その児童にとって最善の処遇を確保するという観点に立って、現行制度の適切な運用の見直しを図るとともに、運用の実態等を十分踏まえたうえで、里親制度の在り方について今後検討を行うことが必要である。

4. 児童相談所の活性化について

(1) バック・アップ機能の創設

・ 児童相談所の仕事については、問題が多様化・複雑化している中で、高度の専門性が求められるとともに児童の処遇決定についての客観性を確保するため、幅広い分野における外部の専門家の協力が必要なケースが増えてきている。

・ 児童相談所長が処遇を決定するに当たって、その事門性と客観性を担保するとともに児童の権利擁護を適切に確保するため、医師、弁護士、施設関係者等の第

 

 

 

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