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・ 現行の施設体系では児童を入所させて処遇することを基本としており、施設退所後の児童に対するアフターケアが十分図られていない。

・ 児童の自立支援のためには、施設退所後に備えた生活訓練を行うとともに、施設退所後も、児童が社会的に自立するまでの間、施設が適切なアフターケアを行うことが重要である。

・ 児童の自立支援という観点からは、一定の年齢に達したことや就職したという理由で一律に支援の対象外とすることは適当でない。例えば、家庭の代替的役割を担う養護施設の場合、児童が社会的に自立するまでの間、必要な支援を行うことは施設の利用形態や機能の一つとして認められるべきである。

(4) 施設におけるサービスの質の向上

・ 施設におけるサービス水準については、問題の多様化・複雑化や国民の生活水準の向上を踏まえ、適切な質の確保が図られなければならない。

・ このため、施設機能の見直しと並行して、施設の設備・構造、職員配置、職員の資格等について、その基準の見直しや弾力化を含め、検討を行っていくことが必要である。

3. 地域社会における支援体制の強化

(1) こども家庭支援センター(仮称)の整備

・ 全国175ヶ所の児童相談所では地域ネットワークの裾野を拡げることには限界があり、その機能を十分に発揮することができない。より地域に密着した迅速かつきめ細かな相談を行っていくため、児童相談所を中心に地域に拡がりをもった有機的な相談体制の整備を図ることが必要である。

・ このため、民間施設等を中心として地域の児童福祉施設、機関等を効率的に活用し、これに適切な人材を配置することにより総合的・専門的な相談・指導を行うセンター(「こども家庭支援センター(仮称)」)を整備し、地域に根差した身近で機能的な相談・指導を行う基盤を充実していくべきである。

・ こども家庭支援センターは、児童相談所等の関係行政機関や児童委員(主任児童委員)などの福祉関係者をはじめ、保健医療関係(保健所、保健婦、病院、医師)、教育関係(学校、教育委員会)、司法・警察関係(弁護士、家庭裁判所、保護司、人権擁護委員、警察)等の公的機関・団体や民間ボランティア活動等と十分な連携を図ることが必要である。

・ こども家庭支援センターの整備にあたっては、地域の実情等も考慮しつつ、児童や家庭にとって利用しやすい相談体制となるようその適正な配置を図るととも

 

 

 

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