II 都祁村老人保健検診事業
A. 基本健康診査
図4に示すように年々受診者数は増加している。特に常勤保健婦が赴任した昭和61年度には倍増している。平成4年度からは腹部エコーも基本健康診査に取り入れている。過去4年間に発見されたがん患者の数を把握することは,精密検診の結果を正確に追跡することが困難なため不可能であるが,判明しているところでは,腹部腫瘤触知から胃がん,体重減少から胃がん,貧血から胃がん,腹部エコーから肝臓がん・食道がん・膀胱がんをそれぞれ1名ずつ発見している。
B. 胃がん検診
図5に示すように平成6・7年度にはやや受診数は減少している。胃がん検診のアピールの悪さおよび診療所での胃カメラへの登録患者の増加等により減少したものと考えられる。平成6年度と平成8年度にそれぞれ1名ずつ胃がん患者を発見している。平成6年度発見患者は,5年度にも胃がん検診を受けたが異常なく,6年11月に手術を受け8年10月に胃がんで死亡した。平成8年度発見患者は8年6月に紹介先病院で手術を受け,進行がんであったが根治手術できた。
C. 肺がん検診
図6に示すように年々受診数は増加しているが,基本健康診査と同日に施行していることが受診数増加に好影響を与えているものと考える。平成6年度に1名肺がん患者を発見した。病理組織は扁平上皮がんであり,紹介先病院で光線力学的治療(PDT)・化学療法・放射線治療などを受け,現在病院の管理下で在宅酸素療法などを続けながら軽労働もしている。
D. 大腸がん検診
図7に示すように年々受診数は増加しているが,肺がん検診と同様に基本健康診査と同日に施行していることが受診数増加に好影響を与えているものと考える。平成5年度に2名,平成6年度に1名大腸がん患者を発見した。5年度発見の2名は共に開腹手術を受け現在健在であり,6年度に発見の1名は内視鏡的切除術を受け現在健在である。
E. 子宮がん検診
図8に示すように平成6.7年度にはやや受診数は減少しているが,子宮がん検診のアピールの仕方が悪かったようである。