消化性潰瘍すべて症例(Raw Case)について除菌成功例,除菌不成功例についてその再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られた(図5)。また再発時にNSAIDs(Nonsteroidal anti-inflammatorydrugs)やAlcholといった明らかな他の原因による再発が疑われる例を除外した症例(Selected case)について検討するとさらに除菌成功例と除菌不成功例との差異は著明となった(図6)。
C. 除菌の成否と胃潰瘍再発率(図7)
胃潰瘍(Selected Case)について再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られた。
D. 除菌の成否と十二指腸潰瘍再発率(図8)
十二指腸潰瘍(Selected Case)について再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られたが,症例数が少ないため有意差はなかった。
E. 除菌例,非除菌例における各背景因子の比較検討(表2)
1. 年齢:除菌症例の平均年齢は60.9±14.4歳(Mean±SD)であり,非除菌症例の52.7±15.2歳より有意に高かった(p<0.05)。
2. 性:除菌症例の男女比は1.86:1であり,非除菌症例では1.22:1と有意差はなかった。
3. 単発潰瘍または多発潰瘍:除菌症例の単発:多発潰瘍比は3.00:1であり,非除菌例では2.33:1と有意差はなかった。