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IV 結果

A. 各除菌法の除菌成績と副作用(表1)

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除菌成績はLAC群4)5)85%(17/20),LCP群6)70%(14/20),LCAP low dose群7)83%(25/30),LCAP high dose群97%(29/30)(UBTを含めた4者判定)であり,副作用は各々20.0%,5.0%,6.7%,10%であった。LCAP high dose群において優れた除菌率が得られ,LAC群では,やや副作用が目立った。

B. 除菌の成否と消化性潰瘍再発率

上部消化管内視鏡検査による消化性潰瘍再発の経過観察のできた41例について再発率を検討した。除菌後3〜25ケ月(平均9.2ケ月)観察した。

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消化性潰瘍すべて症例(Raw Case)について除菌成功例,除菌不成功例についてその再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られた(図5)。また再発時にNSAIDs(Nonsteroidal anti-inflammatorydrugs)やAlcholといった明らかな他の原因による再発が疑われる例を除外した症例(Selected case)について検討するとさらに除菌成功例と除菌不成功例との差異は著明となった(図6)。

C. 除菌の成否と胃潰瘍再発率(図7)

胃潰瘍(Selected Case)について再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られた。

D. 除菌の成否と十二指腸潰瘍再発率(図8)

十二指腸潰瘍(Selected Case)について再発率を検討すると,除菌成功例では除菌不成功例に比して有意に再発率が低いという結果が得られたが,症例数が少ないため有意差はなかった。

E. 除菌例,非除菌例における各背景因子の比較検討(表2)

1. 年齢:除菌症例の平均年齢は60.9±14.4歳(Mean±SD)であり,非除菌症例の52.7±15.2歳より有意に高かった(p<0.05)。

2. 性:除菌症例の男女比は1.86:1であり,非除菌症例では1.22:1と有意差はなかった。

3. 単発潰瘍または多発潰瘍:除菌症例の単発:多発潰瘍比は3.00:1であり,非除菌例では2.33:1と有意差はなかった。

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