山道 省三(環境計画山道省三アトリエ代表・全国水環境交流会事務局幹事)
こんにちは、ご紹介頂きました山道でございます。
私、川の問題をずっとやっておるんですけど、24〜25年になるんですけれども、長崎の出身でありまして、今全国水環境交流会ということでですね、いろんな各地で各地域の川を良くしようという住民のボランティアの方々とかあるいは個人の方々とか、そういった人達をですね日本でネットワークしてお互いいろんな情報交換等々をやっていこうかと事務局もやっておりまして、あちこちでかける機会にあちこちの川を現地の人に案内をしてもらっていろいろ勉強させてもらってますけれども、今日は時間が30分程ということでございますが、できるだけ私が見てきました日本の川で地域の方がどんな事をやっているのかということをですね、スライドを沢山用意してきましたのでそれをご覧になって頂きたいという事が一つと、それからお手元にですね綾瀬川を考える交流会の講座資料ということでペーパーを1枚用意しております。これはいい川を育む仕組み作りの展開、いい市民、行政、学者、企業のパートナーシップによるいい川作りを目指してというペーパーが1枚入っておりますけれども、これは今年の6月にですね建設省あるいはその河川環境管理財団の方々と一緒になって作り上げた物の概要版でございます。
これを今日用意しました理由はですね、今までいろんな川について各地域でいろんな方々が努力されてこられた、これは行政もそうですし、住民の方々もですね河川清掃とかですねドブさらいとかあるいはいろんなイベントをやって来られた訳ですけれども、そうした中にあってですねいったい川というのはどういうふうになればいいのか、今日のテーマであります綾瀬川の将来を考えるというあたりについても同様かと思いますが、いったいどうあればいいのかというあたりがですね、いろんな事を経験してきた中でまだようわからんというようなことがありまして、ある人は今日のテーマでもありますが、水質だとか、水流を良くすることだとか、あるいはその自然を川にどんどん、どんどん増やしていこうではないかとか、あるいは川の中でいろんな遊びをしようじゃないかとか、いうようなことがあるわけですけどどうも個別的な発想じゃうまくいかんだろうというようなあたりで、1つは川というものはもう自然だとか水質だとか水流だとかというものもとても大事なんだけれども、地域の人間にとって少々水がきたなくても本当に愛されるというか、とても雰囲気が良くてですねそういう総合的な川の見方をしていかないと個別の問題ではようするに本当に地域にとっては良い川、愛着をもてる川にはならないんじゃないかといろんなことを活動してきた市民自身が気付き始めてきたというようなことで私あちこちいって話をしている間にひしひしと感じる訳ですね、なぜかというとですねやはりその自分達がその川にですね小さい時からどんな関わり合い方をしてきたのか、原体験と申しますか遊びでもいいし川の恐ろしさを知ることでもいいのですか、その中で学んできた、経験をしてきた、それがようするに体験という形で今日の感性とかひいては芸術性とか、もっといえば生き方みたいなものをですね川で学んだ方というのが非常に多いわけですよ。
それはそれで水質がよいからとか水流の多いとかではなく川という総合的な存在というか、そういうあたりがですねようわからんけど自分の人生にとって役に立ったということを気付き始める。だからそういう視点で川を見直そうという動きがですねいろんなとこで出てきている。それでもう1つ大事な事は川の管理ということを水質の水道の管理ということをある時期からですね、ようするに行政にまかせてしまった、あるいは行政にまかせるように仕向けられたと言ってもいいかと思いますけど、建設省とかあるいは水でいえば環境庁だとか農林水産省、厚生省、通産省いろんな所が関与している、どうもそれは先程申し上げました川を総合的にとらえて、その個々の水質を良くするとか水流を回復するとか自然を復元することとかをやってきたかというと、あるいは洪水の配慮もそうかと思いますが、どうもそうじゃない、1つの課題をそれぞれの役所がやってきたあるいはその自治体がやってきたというあたりでどうもちぐはぐなようするにいい川をつくるための政策がこの20年、30年続いてきたんではないかなというふうに思うわけであります。