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中で約500人ということです。

 

大友委員:今のお話でおおよそわかりました。私のところは純農村地帯なので、農繁期は 比較的相談が少ないのですが、農閑期になると相談が多くなります。相談が多くなりますと、役所に報告するとか、現地調査するとか忙しくなります。今、治安判事のような人を行政相談委員のように活用したいというお話がありましたけれども、私共のところでは小さい村にまで行政相談委員が置かれていて気軽に相談できますが、オンブズマンはそれぞれのお国において相当の地位にある方々ばかりで、一般の国民は、気軽に相談できるものでしょうか。

 

サラム氏:誰もオンブズマンに対して、身分ですとか難しさといった障壁を感じていませんし、誰もが電話や手紙等で相談できます。苦情のある人たちが直接私のところに訪れて相談することもありますが、夜に相談に来たときには、翌日の朝に来なさいと言います。自宅でも相談は受けております。

 

エルウッド氏:ニュージーランドでも、一般の方々が、高位の職にある方とか官僚の地位 にある人に対してでも気軽に接することができ、地位によって隔たりが生ずるようなことはありません。私のところでもサラムさんが言われましたように、自宅において直接電話や手紙で相談をすることができます。もちろん私は1人の人間で、2つの目と1つの日しか持っていませんので、私の職場のスタッフが仕事を手伝ってくれます。私共には日本では“フリーダイヤル”と呼ばれている無料電話のダイヤルがあります。まず最初に0を押し、それから800番を押します。この無料電話の受け付けをしている人たちは、問題点の所在、解決策に熟知した人たちです。受け付けた問題が大変難しく重要な問題であるときには、すぐに私共オンブズマンに照会します。その場合には、受け付けをしてから48時間以内に書面にしてオンブズマンに提出しなければなりません。書類には、どの役所の誰が苦情の基に成った問題を処理したのか、その苦情をどの職員に担当させるかが書かれています。そして、相談者にはこの担当官等がアドバイスやカウンセリングを行います。もちろん必要な調査はオンブズマンがきちんと行わなければなりません。そして、調査の結果どうなるか、どのような勧告を行うか、ということの返答も書面にし、相談者が請求しましたらお知らせします。私共オンブズマンは1日19件くらいの苦情を処理しています。

 

竹澤委員:調査担当官に上ってくるのは1日に何件くらいですか。

 

エルウッド氏:1日の件数はわかりませんが、1年間に約5,000件くらいです。年間に2万5,000件くらいの苦情を受け付けし、そのうちの5,000件くらいが調査担当官の方に回されます。

 

奥田委員:オンブズマンとオンブズマンのもとに配属されております調査官は何人いらっ しゃるのですか。

 

 

 

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