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宮城県県政オンブズマン

当県では知事の汚職問題を契機に、私的な市民オンブズマンの活動が非常に活発になってきました。カラ出張などの問題が指摘され、県としても透明で開かれた県政のために何らかの対応を迫られておりました。そこで、県内部でも検討委員会を設け、行政運営を見直し、改善方策についても考えていかなければならないのではないかとの検討がなされました。それを受けて、オンブズマン制度の導入に関して市民の意見を聞くための懇話会を発足させました。

懇話会では、理想的なオンブズマンの在り方について、条例による設置や行政監視機能の必要性など様々な意見が出されましたが、当時の県民感情からして、オンブズマン制度を早急に設置することが求められていたため、まずは要綱により、平成8年11月に発足しました。権限的に、行政監視機能はなく、また、調査も申立てによるものに限られており、自らの発意により行うことはできません。県は、調査に概ね協力的であり、勧告や意見表明まで至ったことは現在までありません。

当県においても、沖縄県と同じように、オンブズマンの存在は、庁内に緊張感を生み、役人の意識改革を促進するなど大きな効果を生じていると思います。また、オンブズマンは県民の相談役であると同時に、“県の相談役”としての大きな役割もあるようです。

オンブズマンには、ジャッジ的要素が求められると思いますが、それ以外に、調停的な要素があってもいいのではないかと思っています。

課題としては、オンブズマン制度をどのようにPRしていくかということがあります。とかくマスコミは、件数だけでその存在意義を問うところがあり、パプリシティの難しさを痛感していますが、現場の緊張感を生み出したり、役人の意識を変えるなど隠れた役割もあることを知って欲しいと思います。

 

北海道行政オンブズマン制度検討委員会

現在、オンブズマン制度の導入について検討している段階にあります。

道政改革の一環として、平成7年に、民間有識者から構成される「道政改革民間フォーラム」という組織をつくり、今年3月、道政上の課題や改革の推進方策についてご提言いただきましたが、その中で、北海道に相応しいオンブズマン制度の導入について検討していくべきであるとされたことを受け、開かれた道政、いわゆる公正・透明な行財政の運営を図るにはどうしたらよいかとして、道政改革の実施方針の中でオンブズマン制度の導入について検討していくこととしています。

また、道においても一連の不正経理問題が生じ、その再発防止のための改善プログラムの中でも、監視機能の強化として、外部監査やオンブズマン制度の導入について検討すべきであるという課題が盛り込まれています。

昨年、庁内の関係各課から成る検討会を組織し、既設の各地方公共団体オンブズマンの状況や制度について研究してまいりましたが、それに引き続き、本年は、北海道に相応しいオンブズマン制度の在り方について検討を重ねているところであり、年内または年度内には、ある程度の方向性について取りまとめたいと思っています。

なお、議論の中で、今の時代の流れとして、オンブズマン制度の導入も重要では

 

 

 

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