日本財団 図書館


あるが、既存の類似制度を活性化していくことをまず考えなければならないのではないかとされたことを受け、現行の道民相談制度との棲み分けやその他様々な制度がある中で、どのようなシステムにするのが行政苦情救済として最善かという観点から検討しているところです。

当地のようにエリアが広域に及び、各地に支庁が配置されている状況下で、それぞれにオンブズマンを置くとすることは費用対効果の面でどうか、また、相談事案を処理するに当たっては本庁と協議することとなれば、簡易・迅速な処理が求められるオンブズマン制度の性格もあり、地域の要望や相談にどういう形で対応していくかという課題もあります。

 

[第2部:フリーディスカッション]

続く第2部では、林屋礼三宮城県県政オンブズマンの司会により、第1部での補足を含め、フリーディスカッションが行われ、今回のような意見交換会の重要性、必要性について確認し、将来的に、総務庁も含んだ形で、地方公共団体オンブズマン等の連絡協議会的なものをつくる方向で検討していくこととなった。

その内容の一部を紹介すると、以下のとおりである。

 

o 外部監査とオンブズマンとの権限の問題、私的オンブズマンに対する公的オンブズマンの在り方・方向づけ、オンブズマン制度のPR、さらに、行政相談委員や調停との兼ね合いの問題などの当面の課題を抱えており、今後とも意見交換したい。

o このような会議の開催形態として、オンプズマンだけの集まりとするのか、事務局も含めるべきか、または、オンブズマンの手足となっている調査員はどうするかという出席者の範囲の問題もあると思う。

o オンブズマンだけによる意見交換も大事であるし、また、事務局も含めてやらないと意味のない部分もあると思う。一長一短あるのでどちらが良いとは言えないが、いずれにしても、事務局も一体的に運営していかないと、いくら良い制度・しくみができても県民や市民のためにはならないのではないか。

o オンブズマンを設けている地方公共団体が集まり、意見交換をすることは大切である。また、今後、オンブズマンを設けようという地方公共団体に対して、既にオンブズマン制度を持つ各地方公共団体は、その様々な知識や経験を情報提供していくことも必要ではないか。

なお、各地方公共団体が抱える問題について十分に検討するため、せめて丸1日程度は時間をかけた会議の場を設定する必要があると思う。

o このような会議が今後も引き続き開催されることを願いますが、運営協議会的な組織をつくるべきではないか。

その場合、総務庁も含め、来春、東京近郊で、準備会的なものを開催する方向で検討したらどうか。

o 国として、行政苦情救済のリーダーシップを発揮されている総務庁も無関係ではないことから、総務庁にも積極的な支援をいただきたい。

 

[閉会あいさつ](総務庁行政監察局行政相談企画官 植松健)

北海道から沖縄までの地方公共団体のいわゆるオンブズマン等の皆様にお集まりいただきましたこと自体、非常に意義のあることだと思います。国民やマスコミの方々のオンブズマン制度に対する関心も高まってきています。制度ができたといって満足するのではなく、今後、中身をどう詰めていくかということが大事なことだろうと思います。

地方公共団体の中でも制度は若干異なります。条例により設置されたところ、要綱により設置されたところがあり、また、背景、権限も違います。そういうものを越えて、お互いに情報交換し、連携を強化して、国民が利用しやすく、効果的な苦情処理を目指していく必要があるのではないかと思います。先程、その充実のためにも、このような会議が今後も引き続き行われていくことが取りまとめられました。

総務庁、行政相談委員の団体である側全国行政相談委員連合協議会と致しましては国際オンブズマン協会のメンバーとしても皆様の御意見を踏まえ、引き続き、お役に立つよう努力していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION