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平成8年10月から施行されました。

当市のオンブズマン制度の特徴は、行政全般を対象とし、条例により制度化したことと、専門調査員の制度を設け、法学部系の大学院を卒業した者2名をオンブズマンのスタッフとして調査に当たらせていることです。

先日、年金の手続きに関する苦情の相談がありましたが、国に関係する相談であったことから、総務庁の行政相談委員に相談していただく方がよいと判断し、処理をお願いしたことがあります。その意味でも、オンブズマン制度と行政相談委員制度、また、市の相談窓口との棲み分けが徐々にできてきているように思います。

今後の課題と致しましては、中立件数は増加傾向にあるのですが、市民にもっと利用していただくために、いろいろなメディアを活用しながらPRを行っていきたいと考えています。

 

川崎市市民オンブズマン

平成2年に自治体で初めてオンブズマン制度を導入しましたが、その後、各自治体において様々な工夫が試みられ、専門オンブズマンなどいろいろなコンセプトを持ったオンブズマン制度が各地に設置されてきています。また、地方行政に対するマスコミ、市民の関心が非常に強くなっており、周囲の環境も激しく変化しています。このような中で、当市のオンブズマン制度も従来のままでよいか検討していかなければならないのではないかと認識しているところです。

当市は、条例第1条において、制度の目的として、苦情処理及び市政の監視と非違の是正を掲げていますが、この2つをどのようにしてマッチングさせるか、また、それに見合う制度として現在の条例やその運用で十分であるかという課題があります。

オンブズマン制度が条例化されるということは、議会での議論を得た上での制度であるという意味で民主主義的な根拠を持っていることを意味します。しかし、条例化だけでは十分であるとはいえないのではないかと考えています。

つまり、現在の地方自治法では、 “市の執行機関”は限定列挙となっているため、新たにオンブズマンを執行機関として位置づけることが非常に難しく、地方自治法上の対応がないと独立した機関として監視機関のようなものを設けるのは困難ではないかということがネックになっています。当市では、現行法制上、 “市の執行機関の附属機関”という位置づけになっていますが、自治法上の執行機関に高めることができればさらに望ましいと思います。

 

横浜市福祉調整委員会(横浜市福祉局総務部福祉相談調整課)

川崎市及び中野区のオンブズマン制度を研究させていただいた上で、市長から示された、「オンブズマンそのものではなく実質的な調整ができるもの、また、分野については一般に苦情申立てしにくく、申立人が弱い立場にある“福祉”に限定して苦情処理に当たる」との方針に基づき、平成7年7月、福祉サービスの分野に限定した苦情処理システムが設けられました。

当委員会の委員は6名おり、学識者として障害者福祉、高齢者福祉、児童福祉の

 

 

 

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