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す。しかし、公的オンブズマンとはそういうものではなく、県民の相談役であると同時に、県の相談役としての気持ちも忘れてはいけないのではないかと思います。

 

高知県行政オンブズマン

当県では、平成5年以降、カラ出張等の問題が生じ、その再発防止の観点から、「県庁内から食糧費、旅費等の不適切な支出をなくすためにどうすべきか検討して欲しい。」との知事の依頼を受け、民間有識者を委員とする「事務改革特別調査会」を設けました。そして、同調査会において検討を重ね、平成8年12月に、「これらの問題については、単に県庁内の事務処理だけで解決するわけにはいかないのではないか。第二者的立場の者がチェックすることにより適正な執行を確保し、また、確保されていることをアピールする必要もあるのではないか。」との提言を受け、平成9年4月、現在の制度が導入されました。

業務内容は、地方自治法上の外部監査制度の先取りとも言えるものであり、食糧費、旅費、タクシーチケットに係る問題について調査を行っており、最近では、人件費、需用費関係まで調査対象を広げることとしています。

調査する苦情の範囲が会計事務に限定されていることもあって、これまでに申立てに基づいた調査を行った実績はありません。

また、平成9年6月から、県内の関係機関を対象とし、2週間毎に、集中的な調査を実施しました。現在までに調査した機関は、本庁5機関、地方の出先機関10機関の合計15機関となっております。調査の結果、カラ出張等の問題は見つかっていないため、勧告の実績はありません。

調査は抜き打ち方式で実施しており、相手機関はいつ調査されるか分からないため、常に緊張感が要求され、質の高い業務の実現が期待できます。

 

新潟市行政評価委員会

「開かれた公正な市政を行いたい。」との市長の意向により、この制度が導入されました。他のオンブズマンと同様に、市政に対する苦情などがあった場合、公正・中立な立場から調査・検討して評価をします。ただ他のオンブズマンと異なり、自己の発意により事案を取り上げる権限や行政を監視して改善すべき点について進言する権限はありません。

平成5年の制度導入以降、年々、申立てが減少してきており、もっと気軽に申立てしてもらうにはどうしたらよいかが課題になっています。

 

藤沢市オンブズマン事務局

平成4年2月の市長選での公約に基づき、同年5月から2年間にわたり、庁内で研究し、その後、平成6年には、学識者5名、市民団体の代表者5名、公募により選定した一般市民5名の計15名から構成される市民オンブズマン制度の研究会を組織し、検討結果を踏まえ、同年12月、オンブズマン条例を制定しました。

その後、当時、“オンブズマン”という言葉が一般に余り知られていなかったこともあり、講演会の開催など市民へのPR活動や職員研修の期間を1年半ほど設け、

 

 

 

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