日本財団 図書館


我が国においてもこれだけ多くの地方公共団体オンブズマン制度が導入されておりますので、本日のような意見交換の場があってもよいのではないかと思います。前回の大阪フォーラムの際にも、情報交換の場を設けさせていただいた訳ですが、その後、皆様方からもっと十分に時間をとって意見交換したいとの強い要望がございましたので、それらのご要望を踏まえて、今回、このような場を設けさせていただいたということでございます。最後に、先程申し上げましたとおり、国、県、市と制度は様々ですが、目的は同じです。私どもも十分に勉強させていただきたいと思っております。この会議において実りの多い意見交換ができますよう祈念しまして、私の挨拶とさせていただきます。

 

[第1部:制度の概要及びその運営状況8課題についての発表]

意見交換会は2部構成とし、第1部では、林屋礼三宮城県県政オンブズマンの司会により、各地方公共団体オンブズマン等から、それぞれの制度の概要、運営状況・課題について発表が行われ、その中で、

o 制度導入以降、年々、中立件数が減少しており、もっと気軽に申立てしてもらうにはどうしたらよいか、

o 市民にもっと利用してもらうために、いろいろなメディアを活用しながらPRを行っていきたい、

o 行政問題に対するマスコミ、市民の関心が非常に強くなっており、また、取り巻く周囲の環境も激しく変動している中、従来のやり方を考え直していかなければならないと認識している、

o 件数だけでオンブズマンの存在意義を問われがちだが、現場の緊張感を生み出したり、役人の意識改革を促進するなど隠れた役割があることも知って欲しい、などの意見が聞かれた。

各地方公共団体オンブズマン等の発表の概要は、以下のとおりである(発言順)。

 

沖縄県行政オンブズマン

沖縄県は、琉球王国、そして、琉球政府を経ており、歴史、風土、制度等において本土とは異なっています。従って、沖縄の風土というものを考えながら、オンブズマンの在り方を模索しているところです。

オンブズマンの仕事とは、法律をものさしとして物事を判断するのではなく、人間の心と常識をものさしとして、どちらがもっともであるかを判断することであると理解しています。

県は、オンブズマンの調査に協力的であり、担当部局は身が引き締まるのか、実質的な改善が図られています。この効果は大きく、重要なことであると思います。

現在の問題として、公的オンブズマンとはどうあるべきかということが挙げられると思います。私的オンブズマンは、やっていることは面白いのですが、とかく社会的正義の立場から物事を暴き、そして、裁判に訴えるというやり方をとっていま

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION