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ます。いずれにしろ、本日のディスカッションの議論としては、「便利で総合的な苦情処理の仕組みを工夫する必要性」について議論が集中しました。

第2点は、「制度の一層の充実又は制度間の連携の強化」についていろいろ議論がありましたが、?@行政相談委員のみでなく、県政オンブズマン、民生委員などの日常の相談業務の連携の必要が(それぞれ言葉は違いますが)各パネラーの方から出ています。また、?A各種相談窓口の共通の課題として、相互の連携を図っていくべきだということを線々説明されました。あるいは?B行政相談制度と政府の各省庁の行政苦情相談機関との連携についても話があって、理解を深めたところです。

第3点として、「積極的な交流、情報交換の展開」ということですが、何よりも行政相談制度の周知徹底を図る必要があるということが指摘されました。そのためには、ポスターとかチラシ、あるいは地方公共団体の広報誌、その他、新聞やテレビやラジオのようなパブリシティの活用、最近のインターネットの活用ということも議論され、そういう指摘がありました。

 

以上指摘された本日の議論での3つの共通認識は、いずれも私達の納得のいくものだと思います。この仙台フォーラムの結論といってもいいかと思います。この仙台フォーラムのパネルディスカッションは、2時間半という大変短い時間でしたが、いろいろなことを示唆しているように思われます。それは、行政というものの重みということだろうと思うのです。行政の重みということを、本日のディスカッションは教えてくれていると感じました。すなわち、グローバルな視点から考えてみると、19世紀というのは経済が発展し、資本主義が活発化する時代でした。私は、「19世紀は経済の時代である」と考えることができるかと思います。これに対して20世紀すなわちわれわれの時代は、2度の大きな戦争とその後の民族の紛争などがありました。これを私は「20世紀は政治の時代である」というふうに概念づけることができるかと思います。そして、間もなくやってくる21世紀は、疑いもなく「行政の時代」でしょう。人々の生活の豊かさや人間にとっての人権が尊重され、誰もが自由にその権利に基づいた行動のできる社会、それが21世紀ではないかと私は思います。そうありたいと願っています。私が「行政の時代」と言いたいのは、行政と国民が一つのことを協働作業で作り上げていくという思いをしています。今回の仙台のフォーラムが、幾分なりとも、そうした21世紀社会への道しるべを示したものであると、私は確信しています。

最後に6人のパネラーの方々に盛大なる拍手をもって、このパネルディスカッションを終わりたいと思います。ご静聴大変有り難うございました。

 

 

 

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