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の場合でも、オンブズマンは少数の人で構成されており、その判断に基づいて勧告権があるという点で、行政相談の制度との間には違いがあると思われます。

 

司会者(本田弘 日本大学教授)

日本では、今でこそ「オンブズマン」といっていますが、今から10年、 15年前には「オンプツマン」あるいは「オンバズマン」という言葉で、その呼び方がなかなか定着していませんでした。いわばこの10年か15年の間でしょうか、ようやく日本でも「オンブズマン」という、素直にスウェーデンの言葉をそのまま読むというような慣習ができたようです。今では、片仮名で書けば「オンブズマン」という先程からの言葉のとおりです。

さて、最後になりましたが、全体として、今日の話の中で、各行政機関あるいは相談機関の連携の話が一つの論点となっていますが、塚本審議官から何かそういう点で将来の展望のようなものがありましたら、お願いします。

 

塚本壽雄(総務庁長官官房審議官)

機会をいただきましてありがとうございます。実は、佐藤町長さんが、大変偉い、まさに政治、政策を担当しておられる方が、非常に反省なさっておられるのに、役人が反省しないわけにはいかないので、その機会をいただけるのを今か今かと待っていました。

反省というよりは、実は昨年ほとんど似た時期に、大阪でこの「地域フォーラム」の第1回を開催させてもらったのですが、その時に、連携とか周知という話が課題ととて出まして、これは盲点だったなあと気がついたことがあります。例えば、連携については、竹澤さん、大塚さん、皆さんからソフトな連携からスタートしてはどうかという話がありました。その具体的な中身として、各相談機関あるいは相談に携わられる民間の方々というのがありましたが、実は大阪の場合は、パネリストに弁護士さんにも入っていただきました。よく視野を広げ、まさにそうした相談あるいは市民の方々一人一人の行政に係わるものが相当入るような悩みというものを受け付けるという活動に着目すると、もっと広い範囲の方々がおられると、そういう方々も含めての連携というのはどうしたらいいのだろうかと考え、その時に、さらに重要だと気がついたのは、結局、その前提としての周知ということでした。すなわち、それぞれの連携の対象になりうる方々に、それぞれお互いの制度というものについて知っていてもらう必要があるというところにまず行きました。さらに考えてみると、その連携といっても、それぞれの委員あるいは相談員と名前が付く方々は、皆さん、結局、役所との関係で仕事をしています。そうなると実は、国の職員や自治体の職員、特殊法人、特殊会社の方も含めた行政機関の職員の一人一人がこういう制度を知っていることが必要ではないかという思いに至ったところです。そして、それ以来、いろいろと頭を悩ませているところですが、まさにこの分野に関わっている方々や各個々の行政機関の職員それぞれの意識の中に、行政苦情相談あるいは国民、市民の皆さんが抱えている苦情の解決の仕組みはどうなっているかということをまず十分に認識してもらうこと、これがやはり連携ということを考える場合の第一歩なのではないかということを大阪で感じ、それ以来ずっと考え続け、また本日もその点について教えられたということです。それを解決するなんとかうまい方法を

 

 

 

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