相談あるいは苦情処理その他諸々の相談に限ったものではありませんが、情報機器及び通信ネットワーク技術の発達、端的に言えば、インターネットに代表されていますが、これがまさに今ご提案のあったような形で解決を可能にしているという認識でいます。すでにそうした対応の緒についた段階で、具体的には、「行政情報化推進基本計画」の中で、インターネット等を使って、いわゆるワンストップ・サービスという形で、いろいろな便利な相談や情報の提供をやっていきたいということを方針決定しています。ただこれには、いくつかの制度的、技術的な課題もあり、お金もかかりますが、いま竹澤さんがイメージとしてお話になったようなものが全部の窓口に揃っていくと、教示とか相談というもののサービスが飛躍的に改善されると思っています。行政相談をやっている私ども行政監察局においても、これはひょっとするとセキュリティーの問題の手当てが要りますので、技術的処理が必要になりますが、インターネットを利用した相談に関する情報の提供、受付をやっていきたいと思っています。
司会者(本田弘 日本大学教授)
いわばそのネットワークづくりの点については、第1回のスピーチでも若干出てきました。大塚さんのお話の中にも(時間がなくて途中だったわけですが)連絡協議会を作るというお話も出ていますし、解決事例というものは、ある意味では全国共通のものが非常に多くあるだろうから、それを共有の財産として事務改善に役立てることが課題ではないか、ということをレジュメにも書いておられますが、その辺について補足していただきたいと思います。
大塚正宸(河北新報社論説委員長)
佐藤町長のお話を聞いていて、岩出山町に56人の各種相談員がおられるとは大変なものだなあと思ったのですが、町長さんは反省の弁として、懇談会を1回も開いたことがないと言われました。ネットワークづくりというのは、地域で同じような目的で活動している方々がまず集まって、お互いに顔見知りになって、「日常どんな悩みがあるのだろうか」というようなことを話し合うソフトなネットワークをそれぞれの地域で作るということが第1歩なのではないかという気がします。それが徐々に宮城県の連絡協議会のような形に発展していくのだろうと思うのですが、連絡協議会という形になれば、そこで何をするかというと、宮城県内でいえば、「宮城県内でこれまでの相談事例はこういうものがある」と、そしてそれはておそらく本当に私もそう思うのですが)、全国4万4千件もの相談が集まってくると共通項で括れるものが非常にたくさんあるだろうと思うのです。ですから、Aという事例を解決すれば、それは、以後に発生する同種の苦情解決には当然役に立つ、非常に参考になる事例だろうと思うのです。そういうものをまず宮城県内の事例として共有化する、さらにそれを全国のネットワークとして、解決のためのマニュアルとして、まとめていくというようなことをやっていけるのではないかという気がします。
もう1点は、今のように情報通信技術が飛躍的に発展し、かつそれが普及していく時代に、これを利用しない手はないので、(総務庁もすでに取り組んでいるようですが)全国版の行政相談ホームページを立ち上げる、県、市町村もそれぞれに地域版のホーム