くして、どのように知恵を生かしていくか、また市町村長としてそれを生かす場をどのようにして設けるかということが大切ですから、今日帰りましたら、早速反省をして、課長会議の中に検討事項として投げかけて、町民生活課なり総務課なりの中にそのような連携をとる場を、市町村として、岩出山町として持たなければならないと考えています。
相談者の便利をというと、私の町づくりの中で今取り組んでいて、この平成9年度から新たに実施したのが、早くから言われているがなかなか実現不可能であった地方分権を、われわれが先取りして幼保一元化の問題に取り組み、この5月1日から本格的に進めたことです。そのときには、厚生省の保育所の壁と文部省の幼稚園の壁があって、幼保一元化ができないで来ました。メニューが多くあって、「どこに入れようが同じではないか」というのが市民の立場です。
もう一つは、私立と公立の保育所、幼稚園の壁を取り払おう、お互いに必要なときに必要な子育て支援をできるようにということで、岩出山町で、この5月1日から「岩出山町幼児保育センター」を開設しました。私立の幼稚園のバスに公立の保育所に通う子供が乗ってきて公立の保育所で降ろしてもらい、私立のバスは私立の幼稚園の子供たちを幼稚園に運ぶ、帰りの時は、私立の幼稚園で学んだ子は、文部省の方針で4時間しか預かれないことになっていますから、それ以上は別なスタイルに変えて、「居残りさん」ということでピアノを教えたり、絵を教えたりということで延長を図っていますが、普通の子供たちは2時半ころにうちに帰られても、うちは誰もいないから大変だと。そのときは保育所の「子育て支援センター」は夜の7時まで時間延長やっていますから、そこで降ろすと私立の子供であれ何であれ学べるということで今やっています。そのような形で私立と公立の相互乗り入れと縦割り行政の壁もなくそうとやっていますから、当然、質問者の趣旨に沿って、国、県、市町村のこの壁も、われわれとして、もう少し融和的、融合的に場を持つ努力をしなければならないと、ご質問を受けてさらに反省を重ねた次第です。
司会者(本田弘 日本大学教授)
3番目の質問ですが、質問者の名前がなく、司会者あてということですが、樋口先生がスピーチの中でちょっとおっしゃっておられますので、お答えいただきたいと思っております。質問は、
[質問3]
いわゆる市民オンブズマンと公的オンブズマンとの違いがよく分からなかったので、整理して欲しい。
ということですが、先程のスピーチで時間がなくて十分に説明できなかったと思いますので、樋口先生よろしくお願いします。
樋口晟子(東北福祉大学教授)
私が理解している限りで申し上げますと、仙台市にできた市民オンブズマンのことを念頭に置いてお話するわけですが、これは宮城県や仙台市の汚職事件をきっかけとして出てきているので、この「市民オンブズマン」という民間のボランクリックなオンブズマンとしては、やはり、行政に起こりがちなそういう不正を監視するという意味が一番強いのではないかというな、うに思っています。これに対して、行政の側のオンブズマンというのは(同じようにオンブズマンといっていいかと思うのですが)、「こういう行政に対してこういうことをして欲しい」「こういう点はいやなんだ」というような、市民の側からの要望を受けてそれに対応してくれるのが行政の側なのだと思いますし、もちろん、そこに不正がないようにという監視の意味もあるいは含まれる面もないわけではないのですが、そういうことはないということを前提の上で、「こういうふうにして欲しい」という要望を出している。ただ私としては、やはりそういう不正に係わって「こういう制度を改めた方がいいのではないか」というような困り事みたいなものも、行政の側のオンブズマンに言えるチャンスがあるのかどうか、この内容がどこまで相談として受けられるのかが、少しはっきりしないところがあります。以上です。