林屋礼二(宮城県県政オンブズマン)
県政オンブズマンの関係で言えば、例えば県道の問題で、県政オンブズマンに申し立てられて調べてみたら、それは市の道路の問題だというような場合には、中立後であれば、なるべくその方に対する適切な苦情救済ができるようにするということで、割と最近あった例では、宮城県に対して苦情が来たけれども実質的には仙台市の問題であるという場合に、仙台市にはオンブズマンが置かれていないので、結局、仙台市の苦情相談の窓口である広聴相談課へ通知をしたことがあります。
そのほかの場合でも、いろいろな市町村その他に実質的に係わる苦情が来ますが、その場合には、「こういう相談の場所あるいは苦情中立の場所がある」ということを教示することに止めています。というのは、やはり地方の特殊性があって、「自分の住んでいるところの近所の人や行政関係には、自分が苦情を申し出たことをあまり知られたくない」ということで仙台まで来たというような場合もあるので、本人の希望があればそういうところへ回すということをしますが、そうでない場合には、「こういうところがある」ということをお話して、希望があればよりアクセスしやすいところへ知らせる、というような扱いをしているというのが実情です。
司会者(本田弘 日本大学教授)
2番目の質問は、行政相談委員から岩出山町長さんに対するものです。内容をかいつまんでご紹介しますと、
[質問2]
先程のスピーチの中で、56人の各種委員がいるということですが、町長として各種相談窓口を統一するか連絡会を設けて相談者の便利を図るということを考えておられるかどうか。
ということですが、いかがでしょう。
佐藤仁一(岩出山町長)
反省したところを突かれました。そのように努力しなければならないだろうと思っています。その考えがどういうことかというと、市町村には、国から委嘱された相談員、県から委嘱された相談員、そして市町村から委嘱された相談員がいますが、それぞれに意識、プライドを持っています。「俺は法務大臣から委嘱状を買っているから市町村長になど申し上げられない」というようなことはないのですが、仮にもそのような意識がいくらかでも心の中にあったりすると大変なことです。われわれ市町村長はいつも言っていますが、日本国民を預かり、宮城県民を預かり、さらに私の町で言えば岩出山町民をも預かっています。ですから、「総理大臣より私の方が偉いのだ」と思って日々努力していますが、この3つの意識の中に、やはりー個人として、そこに生活する者としてどれだけの幸福感、生き甲斐を享受できることになるかというと、例え、国の相談員だから、県から委嘱された者だから、市町村から委嘱されたからということの区別ではな